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ばうんてぃはんたー 27KB 虐待-普通 理不尽 駆除 都会 現代 独自設定 独自設定解説多め 建物の影から、一体のゆっくりが姿を見せる。 そいつは威嚇しながら要求を口にした。 「ゆっへっへ! あまあまさんをよこすんだぜ!!」 鋭い眼差しにゲス口調。 肌色の体を泥で汚し清潔感の欠片も無い。 飼いゆが野良化したまりさだと特定。 判別要素は黒い帽子に付けている銅バッチ。 「ゆあ~ん!? まりさのありがたいおことばがきこえないの? おみみがとおいの? まりさがなおしてあげようか? げらげらげらっ!!」 何を間違えてこの様な性格になってしまったのか。 俺は呆れ顔をしながら懐に手を入れた。 「お~? まりさのいだいさがわかったんだね!? さっさとあまあまをよこせ! くそじじいっ!! ……もがっ゛!? 」 まりさの口の中に黒光りする先端を無理矢理押し込む。 目の前にいるまりさは、不満を爆発させて目が更に釣りあがっていく。 しかし、俺が "カチリ" と撃鉄を引いた瞬間、まりさは顔を青くさせた。 そう……まりさの口の中には銃口が入っている。 怯えたまりさは、憐れみと不安を混じりあわせたような表情を俺に向けた。 「ゆ…ゆっくりゆるしてね!?」 この急激な表情の変化。 「まりさは、いいやつがおおいんだよ!?」 いきなり命乞いに走る必死な姿。 「ゆっゆ~ん! ゆっくりゆるすんだぜ!!」 その全てがたまらない。 「うごっ!? うがっ!! うぼぉおおおおおおっ゛!?」 俺は無慈悲に引き金を絞った。 装填している五発の弾丸をまりさの咽奥へと連続発砲。 「やべっ!? あがああああああっ゛!! がらだがあづいいいいいいっ゛!? あづっあづっ゛!? ……ゆ!? いだいっ゛!! いだああああああっ゛!?」 まりさの体に入った五発の弾頭。 この弾頭部分は金属では無い。 強烈な辛味成分等がたっぷりと濃縮された大粒の球体だ。 例えるならば、いわゆるペイント弾に属する代物だろう。 多少、扱いやすいように加工してある。 「ゆあああああああああっ゛!? あああぁあああぁあああぁあああっ゛!!」 弾頭がゆっくりの内部に入ると、 辛味成分がじっとりと嫌らしく溶け出しながら体を蝕んでいく。 これは、極々初期の段階に開発された、今では使う者が少数になってしまった装備。 でも、俺は好んでこの装備を使っている。 目の前で体を狂ったように振りながら地獄へと旅立つまりさ。 もがき苦しむ素晴らしい姿を写メで撮って待ち受けにしたい位だ。 「だずげでええええええっ゛! ゆっぐりざぜえっ!?……ごぼおおおおおおっ゛!!」 道路上に黒い餡子を吐き散らかす。 まりさはもう長くは無い。 「ごぼぼぼぼぼぼぼぼぼ……」 俺は盛大に吐いているまりさの目を覗く。 瞳が白く濁り、絶望を映したまま虚空を見つめていた。 「終了」 俺はまりさの帽子と体をチェックする。 何処かに、"ユーコード" と言われる特殊な模様があるはずだ。 「ない……それならここか?」 帽子を取って裏地を確認。 そこにはシール状のユーコードが貼り付けてあった。 「良し、ブロンズ・コード発見」 これが無いとタダ働きになってしまう。 ユーコードが有るか無いかでは、天と地の差がある。 「送信っと。さて……こいつの賞金は?」 携帯でユーコードを取り込み、情報サイトへと転送する。 「……思ったほどではない…か」 情報は即座に携帯画面から俺の目に入り金額を確認。 金額はかなり微妙な感じだ。 依頼人がケチってるとしか思えない。 「まあいいさ。貰えるだけありがたい」 確認のボタンをクリックしてから暗証番号を入力。 これで即日に入金が行われる手筈になっている。 中々便利なシステムだ。 「ま? まままっ、まじざぁああああああっ゛!?」 「……"でいぶ" か」 建物の影から現われたのは大きなれいむ。 こちらもまりさと同じく野良ゆっくりだ。 汚れた体を見ただけですぐ解る。 そんな野良でいぶの色褪せたリボンに付いている、 色がくすんで傷だらけのバッチに俺は興味を引かれた。 「"元銀バッチ" みたいだな?」 「ゆゆゆ!? そうだよ!! でいぶはぎんばっちさんなんだよ!!」 俺は空になった薬莢に赤い弾を詰め込んでいく。 でいぶにはそれが甘いお菓子に見えたらしい。 「ちょうだいねっ!! かわいいでいぶ……ゆ?」 焦らなくても……、 「たっぷりご馳走してやる」 弾装に三発の弾丸を詰め込んだ後、 俺はでいぶの眉間に銃口を突きつけて発砲した。 「ぶっぶぅふううううううううっ゛!? おぼおおおおおおおおおおおっ゛!!」 「美味いか?」 硬い外皮の弾頭はそれなりに貫通力はある。 カプセルに包まれている状態の弾頭部分は、 ゆっくり達の体を突き抜ける威力はないので体内に留まる。 それがまた好都合。 ゆっくりの体内で溶けて最悪な苦痛と激痛を脳天に与える。 瞬殺させない為に特殊な配合で糖度と辛味の濃度を調整。 希望を持たせた後、絶望を与える事を繰り返す振り子運動。 そのような感覚をゆっくり達に味あわせて長期延命を計る調合で作られている。 ただし、延命処置は撃ちすぎない事が大前提だ。 一体に対して大量摂取させた場合は殆ど意味をなさない。 それなりに高度な技術だ。 狂人とは恐ろしい発明をするものだと感心する。 「それがお前のゆん生の終着駅だ。じっくり味わえ」 「ゆおごがぶぐがっ゛!? ……げぼおおおおおおおおおおおおっ゛!?」 まりさと同じく壮絶な最後を迎えたでいぶ。 多くの餡子を吐きまくり、地面へと崩れ落ちた。 俺はでいぶに付いていた銀バッチを毟り取り、 バッチ側面の小さな隙間に爪を引っかけてスライドさせる。 真ん中からスライドしたバッチの断面には、ユーコードがプリントされていた。 銅バッチまりさのようにシールではない。 これは手のかかった特殊品の証だ。 「大当たりだな。さすが、銀でいぶ 」 転送したコードの賞金は予想以上にかなりの高額配当。 最初に狩ったまりさの数倍近くの金額が携帯の液晶に映っていた。 俺はまりさとでいぶに感謝しながら入金手続きの処理をする。 増え続ける野良のゆっくり達。 それは社会の害悪となり、有益に結びつかない災いの種。 そこで政府は重い腰をあげる。 ゆっくり達に個別のコード認証を持たせ、無作為に捨てた飼い主を特定。 そして、悪い事をしたゆっくりの飼い主には重い罰を与えるという、狭い視野でまとめられた法案。 とりあえずの精神が垣間見える、社会に不安を与えて牽制する姑息な手法をとった。 それと同時に野良駆除に対する褒賞も発案された。 だが、それは極々微々たる額。 子供の小遣い稼ぎにさえも、全く見向きもされない金額だった。 それなりに駆除されていく野良。 何も変わらない国のゆっくり対策。 「……それが、まさか、こんな事になるとはね」 俺は銃に入った薬莢を取り出しながら呟く。 「賞金首……か……」 劇的な変化は数ヵ月後に訪れた。 ある金持ちがネット上で飼いゆっくりの情報を流したのがきっかけとなる。 そこに乗った情報は、 『ワシのゆっくりを始末してくれ! 賞金を出す!!』 そのような必死な訴えと、飼っていたゆっくりの詳細だった。 そして、その賞金額に世間は驚いた。 イチの後に信じられない位のゼロが並んでいたのだ。 直後、老若男女が一斉に狩りへと向かう。 街の隅から隅へと走り回る大勢の狩人。 その際に多数の野良ゆっくりと遭遇したのだろうが、 『目的以外に構うのは時間の無駄!』とばかりに、スルーを実行。 小物より、膨大な巨額のお金がその身の付けられた賞金首を捜して疾走する。 数刻後、賞金首捕獲の通達がネットで流れる。 賞金首を射止めたのは小さな女の子だった。 庭に入ってきた野良を捕まえて親に見せに行ったら大当たりだったらしい。 その小さな掌で、文字通り巨万の富を手にした女の子。 世間は一瞬にして力が抜けた。 『これで祭りは終わりだ』 誰もがそう思った。 ……しかし、その考えは杞憂となる。 その後も新しい賞金首が次から次へと情報サイトにアップされた。 それは、"自分で探せなくなって追い詰められた人が世の中に溢れている" からに他ならない。 元飼いゆが捕まって告発されれば元飼い主の自分が罪に問われる。 それは何としても避けたいと誰もが思う。 回避の手段としては、捕獲か始末する方法を実行するしかない。 しかし、元飼いゆが悪い事をしてしまってからでは遅いのだ。 だからと言って長期に学校や仕事を休むわけにはいかない。 飼い主は不安で枕を高くして眠れない日々が続くのは明白。 そこで依頼をする。 賞金首情報を配信する専門サイトへと。 その登録された情報は各地に散らばるハンターへと伝えられる。 今では巨大なサイトとなり、昼夜を問わず大なり小なりの依頼が殺到している。 俺もそのハンターの一員。 かなり早い段階からこの仕事を続けている。 これは仕事と言っても趣味の一環だ。 食っていける一生の職業には程遠い。 誰が最初に提案したのかはは知らないが、 この遊びを "仕事" として伝えるのが通例になっていた。 ハンターの資格はゆっくりを潰せるか潰せないか。 殆どが抹殺依頼なので必須条件だろう。 ごくまれに捕獲依頼があるが、 依頼者の大半は元飼いゆを早々と見捨て始末を依頼してくる。 「まあ、飲み代と煙草代位は稼げる」 それ以上の稼ぎを得る場合もあるこの"仕事"に嵌る輩は多い。 趣味と実益を兼ね備えたゲームに等しい行為だからだ。 「今日はこれで終わり。十分稼いだしな」 俺は伸びをしながら家路へと急ぐ。 「その前に……コンビニでも寄るか」 材料が切れた事を思い出した俺は、 その足で近くのコンビニへと足を運んだ。 設置されているATMで金を引き出した後、商品を大量に買い込んだ。 コンビニの籠がミシミシと音を立てる。 そして、レジで清算しようとしていた時、横から声を掛けられた。 「……まだ"仕事"をしているの?」 「?」 俺は声を掛けられた横に視線だけを向ける。 そこには知り合いの女性が佇んでいた。 「そうだよ。まだそんな物で"仕事"をしているのかい?」 「お前もか……、ああ、そうだよ」 それと女性の横に並んで立っていた長身の男性。 この二人は、かつて一緒に狩りに興じていた俺の仲間達だ。 双方とも悲痛な表情を浮かべ、悲しそうな瞳で俺を見つめている。 「もう辞めてっ!? 見ていられないの!!」 「我慢できない! 僕からも友として言わせてもらう!!」 「またか……勘弁してくれ」 会う度に口煩い、かつての友人。 俺は苦い顔で不満を表す。 しかし、それで発言が抑えられる事はなかった。 「そうよっ!! あなたにオススメするのは……」 「そうだっ!! 君に一番あっている物は……」 それぞれがポケットに手を突っ込む。 「この、皮ごしらえの鞭なのよ!!」 「この、煌めくスタンガンさっ!!」 「……」 そして、それぞれがオススメの装備を取り出した。 俺は当然どちらの装備にも無反応。 と言うか、堂々とコンビニで出すな。 「……この黒光りする艶の素晴らしさがあなたには解らないの?」 「……君は、程よい電気ショックで痙攣するゆっくり達の姿に、心がときめかないのかい?」 かつての友人。 今では親友の二人が、お互いに開いた距離を詰め寄り怒りを露にする。 火花を散らしながら自分がオススメした装備の長所を語り出す。 その熱気にあてられて、店に居た他の客達も自身の装備自慢を始めた。 マジで警察に捕まるのでそろそろ辞めていただきたい。 「はいはいはいはい。とりあえず外に出るぞ」 「がるるるるるるっ!!」 「ぐるるるるるるっ!!」 俺は買い物を済ませ、唸る二人を無理矢理店の外へと引っ張っていった。 缶コーヒーを飲みながら歩道を進む三人組。 「……と言う訳で、俺はこの装備から変える気は無い」 「そう……残念だわ」 「君がそこまで言うなら仕方が無いね」 親友達は納得した表情で頷く。 だが、この光景は先日にもあった。 絶対にどちらも再交渉があると断言できる。 さすが俺の親友達だ。 凄くシツコイ。 「……あっ! ゆっくり達がいるわ!!」 「本当だ! あれは賞金首かもしれないよ!!」 路地裏の奥、 そこにはゴミ箱を漁るゆっくり達が居た。 「俺はいいや。このまま帰る」 「そう……残念だわ。この新しい鞭の魅力を伝えたかったのに」 鞭を引っ張り、乾いた音を響かせる女王様。 「残念だよ……。この新開発した電気ショックを見せたかったのに」 虚空に稲光を撒き散らす雷神様。 そして、別れの挨拶はそこそこに二人は獲物に向かって飛んでいく。 「ほ~っほっほっほ!!」 「ヒャッハァアアアッ!!」 『『 ゆっ!? ゆびびゅががががががっ゛!? おばあああああああああっ゛!! 』』 ビシビシ、バリバリ、ゆぎゃぁゆぎゃぁ。 快音と野良ゆっくり達の声がハーモニーを奏でる。 「あいつら……中々、いい音させやがる」 その爽快なメロディーを背中に受けながら、俺は自宅へと歩き出す。 家へと帰宅。 そして、コンビニ袋を持ちながら向かったのは一番奥にある部屋。 扉を開けると、そこにはケースに入ったゆっくり達。 「……ゆぐっ」 「……ゆううううううっ」 安く購入した虐待用だ。 脱走防止の為、厳重に封鎖された部屋で処置をする。 こんな安物でさえ厄介なユーコードは付いている。 それも体の部分に。 安くなれば安くなる程、容姿を無視したぞんざいな部分にプリントされている。 ユーコード処理の費用軽減と、一部のゆっくり団体が進めていた虐待抑制の効果を狙ってだろう。 『あなたはこんな危険な爆弾を虐待するんですか?』の意味を込めた皮肉にも捉えられる。 実際、部屋の戸締りの管理が甘く、隙を付かれて脱走された事がある間抜けな虐待お兄さんがいた。 数日程焦って探したが、運悪く既に問題をおこした後で、重い処罰を受ける羽目になったのだ。 それは誇大報道されて話題となったが、監禁グッツの売上が伸びただけで、抑制効果は殆ど無かったようだ。 恐るべし、ゆ虐お兄さん(お姉さん)。 「今日は何にしようか?」 「いやだぁああああああっ゛!?」 「いだいのはいやぁああああああっ゛!?」 ケースの中で、まりさとれいむが騒ぐ。 この二体は姉と妹の間柄。 少し前に親子セットで購入してきた虐待用だ。 「ずっどゆっぐぢじだぐないよぉおおおおおおっ゛!?」 「れいぶ、なじもわるいごどじでないのにぃいいいいいいっ゛!?」 ちなみに、こいつらがママと呼んでいた物は、別のケースに入っている。 "ゴミ入れ"と、名の付くケースに。 「ゆわぁああああああんっ゛!?」 「うわぁああああああんっ゛!?」 盛大に泣き喚くゆっくり姉妹。 「定番からいってみるか」 「ゆゆゆっ!? んぐっくん!!」 「ゆばっ!? おねえじゃん!!」 大きな口を開けていた姉まりさに白い錠剤を放り込む。 「……にゃんだか……にぇむくにゃってきたよ……」 「ゆゆゆ!! おねえじゃん!! がわじいぃびぼうどを、おいでいがないでね!!」 一生懸命に頬をすり寄せる妹れいむ。 だが、姉まりさの瞼は閉じていく。 「…ぐ~っ」 「おねえちゃああああああああんっ゛!?」 「予測通りの効果」 姉にラムネを飲ませた。 これは眠り薬というよりは麻酔薬の効果があるらしい。 ある程度は切ったり叩いたりしても起きる事は無いとの事だ。 「さて、お前にはこれを食べてもらう」 「ゆ。ゆゆゆ!! おねえちゃん!! おきてっ!! おきてよおおおおおおっ゛!?」 「すーやすーや。ゆぴゅぴゅぴゅぴゅ……」 泣き喚く妹れいむ。 幸せそうに眠る姉まりさ。 対照的な姉妹の姿。 「んぐっくん!? ゆ……ゆゆゆ。ゆゆゆゆゆ!?」 妹れいむにある物を飲ませた。 「ほふ!? ほふおふ! からだがあついよ!?」 キシリトール配合の甘い飴だ。 これは興奮剤の作用がある。 「そして、これを飲ませる」 「ゆ? ゆむ!? ゆむゆむむむんっ゛!? ……んっほぉおおおおおおおおおおおおっ゛!!」 ヨーグルトは精力剤。 これで、"簡易れいぱーれいむ" の誕生だ。 「んっほぉおおおおおっ゛!? かわいいまりさだよおおおおおおっ゛!!」 安らかに眠る姉まりさに興奮した変態妹れいむ。 目に映るゆっくりは家族だろうが頭の中はすっきりをする事しかないだろう。 それが、この方法で人工的に作られたれいぱーの特徴だった。 俺は直ぐに透明な仕切り板を間に取り付け双方を隔離する。 妹れいむは絶え間なく透明な板に体当たりをしていた。 そんな騒音を気にせず、姉まりさは安らかに眠っている。 「さて、これからが本番だな」 れいぱー状態のれいむを静める配合の新薬調査。 それが今の目的の一つだ。 「これはどうかな?」 「ゆっ゛!? ゆぶっ゛! ぶふふうふふふふふっ゛!?」 れいむが更に赤く膨れ上がった。 失敗のようだ。 「じゃあ、これは?」 「おふううううううっ゛ゆっふあああああああああっ゛!?」 れいむの目玉が盛り上がり、片方が飛び出した。 そこからゴボゴボと濃い何かが床に流れ落ちる。 「駄目っぽいな……これも」 たった二度の実験で使い物にならなくなった。 本当に弱い固体だ。 安物だからしかたないのか? 「まあいい。いっぱい増やしてくれ」 「ゆっほおおおおおおおおおおおおおおおおおっ゛!!」 俺は仕切りを外してから蓋をする。 煩い声を抑えるために。 直ぐに飛び掛っていく妹れいむ。 その姿は、片目が無く、鬼の様に体は赤く染まり、奇声を上げながら姉まりさへと飛び掛った。 「むっほおおおおおおっ゛!! ずっぎぃいい……いいいっ゛!?(ボチュン!!)」 「うわっ!? なんだ、何がおこった!?」 急に響いた爆発音に驚いて振り返るとケースは真っ黒に染まっていた。 妹れいむの鬼と化した姿は無い。 あるのはケース側面に張り付いて下へと流れる残骸だけだ。 「すーやすーや」 麻酔が効いた姉まりさの頭には数本の茎が生えていた。 緑色の茎の束が黒い帽子を押し上げている。 姉まりさはゲッソリと衰弱していた為、慌ててジュースをかけた。 しかし、次から次へと茎が生えてくる。 栄養補給が追いつかない。 このケース状に広がる妹れいむの残骸は、全部精子餡に変化した可能性あると俺は推測。 多数の茎を生やした姉まりさは、別のケースで水栽培の要領で育てる方法を取った。 「大失敗……。また再挑戦するか」 もう、この姉まりさ以外に在庫は無い。 「一攫千金の夢は果てしなく遠い」 れいぱー化を抑える薬。 俺は強力な鎮静効果のある食品探しをしていた。 賞金は、何も狩られるゆっくりにあるとは限らない。 ゆっくりに関する、ありとあらゆる事例に存在する。 今の所、一番高額な依頼がこの薬開発だった。 「……変な所で意外と繊細だから困る」 最初は、れいぱーありすを激安で購入して実験していたのだが、 ある日安売りがあって買いすぎてしまい、同じケースに入れていたら壊滅していた。 凄惨なケース内部状況だったと記憶している。 なので、別に買っていた親子を人工れいぱー化をさせていたのだが、とうとうストックが切れた。 暫くは固体を増やす作業に時間を費やさなければならない。 実験はまた今度だ。 「でも、実験の副産物は意外と多い」 俺はそう呟きながら食品を手に取り調合していく。 その夜は机の片隅で作業に没頭した。 それから数日後。 太陽が沈み、周囲が漆黒に包まれた道路上。 街灯の灯りさえも存在しない薄寂れた廃墟前に俺は居た。 地元では有名な病院の廃墟。 幽霊目撃が多数存在し、誰も近づかない物件の一つ。 その信憑性を高めるかのような事例と事故が運営中の病院内で頻繁に起きていた。 病院で不幸な末路を辿った人の数は、俺が知っている事柄だけでも両手の指の数を上回る。 「……いきますか」 俺はその心霊スポットに足を踏み入れた。 現時刻から少し遅めの肝試しが始まる。 廃墟に響く足音。 遠くまで反響して嫌な雰囲気を漂わせる。 「本当にいるのか?」 俺は携帯を開きながら呟いた。 そこには、一体のゆっくりの姿が大きく映っている。 久しぶりの大物。 金持ちが甘やかして肥えさせた金バッチ。 別に脱走したゆっくりが心配なのではない。 脱走したゆっくりが悪さをして自分が罪に問われる事を何よりも恐れている人物。 それが大金と地位を持った者達。 だが、高額な賞金をかけるメリットがなければ、金を出し渋る連中もいるかもしれない。 そこは、狩人、依頼者、それぞれの利益に直接に結びつく特典が設けられていた。 その特典とは……、 「!?……お化け、では無さそうだ」 暗がりの奥から物音がした。 俺は物音のした方向へと、懐中電灯と視線を向ける。 今、確かに肌色の物体が通った。 「帽子?」 一瞬、視界に入ったのは黒いとんがり帽子。 あれはまりさの特徴であるお飾りだ。 「お仲間さんか」 誰も近づかない廃墟は野良にとっては好都合なのだろう。 多数のゆっくりがいても不思議ではない。 俺が全滅をさせてもいいのだが……。 「耳の奥が痛いな……」 曰くつきの病院内。 それも深夜に差し掛かる時刻。 噂は伊達ではない。 何かゆっくり出来ない感覚がある。 得体の知れない何かが。 それは、俺の胸の中でしこりとして残った。 「長居は無用か」 俺は暗闇の廊下を進んでいく。 ターゲットは意外と早く見つかった。 入院施設に設置しているボロボロのベットの上で丸くなっているゆっくり達。 肌を密着させて暖を取りながら眠る集団の中心部。 そこに金バッチを頭に付けているでいぶが居た。 「よし」 早急に終わらせようとしたその時、 俺の足元でガラスの割れる音が煩く周囲に響いた。 「ゆ!? てきしゅうだよ!!」 「ゆっくりできないひとがきたよ!!」 「ゆっくりにげるよ!!」 「何だと!?」 ブービートラップ。 ガラスを床に敷いて危険を察知する陳腐な罠。 それに引っ掛かった俺はゆっくり以下なのか? 少々へこむ。 「まあ、……しょうがないな」 自分の不甲斐なさに落ち込みながら、銃の照準をゆっくり達に向ける。 最初の照準は当然金バッチでいぶ。 「ゆぶっぽっ゛!?」 「で……でいぶうううううううううっ゛!?」 銃弾が二発、でいぶの体に吸い込まれた。 体が燃えるような感覚に苦しむかのように、 歯を食いしばり、苦痛の表情と浮かべながら床を転がる。 「うぎいいいいいいいいいいっ゛!?」 「じっがりじでええええええっ゛!! ゆっぐりじでよぉおおおおおおっ゛!?」 ツガイ?のまりさがでいぶに駆け寄っていく。 周囲のゆっくり達は構わず逃げようとしているが、 俺は煙草代の足しに成るだろうと思いながら、他のゆっくり達にも発砲した。 「ぺーろぺーろ!! でいぶ、ゆっくりなおってね!! ゆっくりしてね!?」 「……ゆ、ぐぐぐ。ゆ、ま、まじ……ざ?」 「でいぶ!? まじざだよ!! ゆっくりしていってね!?」 苦しむ自分のツガイを必死で舐めて治療するまりさ。 すると、でいぶがまりさの名前を言った後、顔を下に向けたまま停止した。 急に訪れた静寂。 まりさは繭を寄せながらでいぶの顔を下から覗き込む。 「……」 「…でいぶ?」 「んほ」 「……んほ?」 「んっほぉおおおおおおおおおおおおおおおおっ゛!?」 「うわぁあああああああああああああああああっ゛!?」 発情したでいぶがまりさに襲い掛かった。 大きな体で圧し掛かるでいぶ。 無理矢理にすっきりを強要し、まりさは次から次へと赤ゆっくりを宿していく。 「いやばぁああああああっ゛!? もうずっぎりーじだぐないよおおおおおおっ゛!!」 まりさは大声で叫ぶが、でいぶは全く止まらない。 茎に宿した赤ゆか黒く変色して床に落ち、まりさ自身の体も黒く染まっていく。 「…も、ゆ……ぐぢ……じだが……」 「ずっぎりぃいいいっ゛!! ずっぎりぃいいいっ゛!! ずっぎ……!?」 急にでいぶの動きが止まった。 目を見開き一点を見つめている。 「……ボン」 俺は掌を広げて爆発を表現する。 直後、でいぶの体は内部から弾けた。 ボタボタと空から落ちるでいぶの残骸。 「成功だな」 完成した新弾丸。 強制的にれいぱー状態にした後、内部からはじける異質な調合。 狂ったターゲットが周囲のゆっくり達に襲い掛かかる事により、 弾数が少なくても多数の処理が期待できる。 実験も終わったし、これからは群れ用に常に携帯しておこうか。 このでいぶ達の他にも四体の野良ゆっくり達が同じ様に息絶えている。 先程撃った新弾丸で同じ様な末路を辿った奴らだ。 「さて、送信準備」 他の野良は後回し。 まずはメインの金でいぶだ。 俺は確認を急ぐ。 「なんだ? これは……」 それは、金バッチに見せかけた玩具のバッチだった。 これでは通常野良規定に定められた二束三文の額しか貰えない。 「ガセ…か? まいったな」 手の中で偽造金バッチを握りつぶす。 ゆっくりの自作だったのだろうか? いとも簡単に偽造バッチは歪んでゴミと化す。 『こんな日もある』 俺はそう思いながら、病院の廃墟を後にしようとした。 その時、ふとした違和感に気付く。 「……?」 暗がりの奥。 先程、残り弾で撃ったバッチ無しの安そうな野良。 そのまりさの頭の上に、普通、被っているはずの黒い帽子が無い。 俺は記憶を辿る。 先程見たベットに乗るゆっくり達の塊を。 確かに塊の中には帽子なしのまりさがいた。 『帽子を誰かに取られたのか?』 俺はそう推測した。 野良生活ならばよくある事だ。 だが、帽子が無くなった状態で野良の集団生活が出来るのか? それは滅多に無い事例のはず……。 「何かがおかしい」 そう呟きながら、さらにその前の記憶を辿った時、 冷静になった俺の頭は、異常な場所で鈍った判断力が及ぼしたと思われる、 胸の奥に残った違和感を伴うしこりの原因にやっと気づいた。 一番最初に見た帽子を被っていた肌色の物体。 あのゆっくりは…、" 黒い帽子を被った黒い髪のゆっくり " だった。 「やられた!」 身代わり。 配下のでいぶに偽のバッチを与え、 まりさの黒帽子を奪い取って自分の頭に乗せた賞金首のでいぶ。 俺はいとも簡単に安っぽい頭脳戦に嵌められたのだ。 「最悪だっ!」 俺は廊下を走り出す。 黒髪ゆっくりが消えていった暗がりに向かって。 病院内は広かった。 とても見つかるとは思えない。 俺は焦りを伴いながら周囲を探索した。 「ゆ~っしょ!!」 「ゆっしょ! ゆ~っしょっ!!」 「ゆっ、しょっしょーっ!!! 」 「おそいよ!? くずにんげんがきちゃうでしょおおおおおおっ゛!!」 「……」 廊下を移動しているのは黒い帽子を被ったでいぶ。 その周りには胴上げをしているかのように寄り添うゆっくり達。 俺は口端を引きつらせながら、 策を要する才気はあっても、詰めが甘すぎるこの将を見つめていた。 「ゆ!? くずにんげんがきたよおおおっ゛!! かわいいでいぶをまもってね!!」 『『 ゆっゆおおおっ!! 』』 六体のゆっくりが俺の前に立ち塞がる。 「ふっふっふ!! でいぶのしんえいたいだよ!! ゆっくりこうかいしながらしんでねっ!?」 でいぶは、敵が一人だと確認した後、明らかに笑った。 勝てる戦だと思ったのだろう。 俺は境地に立たされて……いなかった。のだが、 でいぶ親衛隊との戦いが始まる前に、病院廊下の奥の方から声が響く。 「……大勢で囲むのは感心しないわね」 「……そうだね。見ていられない。助太刀するよ」 俺は声がした方に目を向けた。 ……当然、半目になりながら。 「ゆゆゆ!? これは、あのくずにんげんとのけっとうなんだよ!! かんけいないにんげんは、ゆっくりきえてねっ!?」 「ふっ、関係あるわよ」 「ふっ、関係あるさ」 鞭をしならせる女性と、 空に閃光を撒き散らす青年は同時に叫んだ。 『『 その人は、大切な仲間なのだから!! 』』 『『 ゆわぁあああああああああああああああああああああっ゛!?』』 熱い叫びと共に、でいぶ親衛隊に戦いを挑む親友達。 まあ、これも長い付き合いだから予測済み。 相変わらず、計ったかのようなタイミングで現れる。 俺は溜息を一つ吐いた後、弾装に銃弾を込めながらでいぶの元へと歩いていく。 「……ちかずくなあああっ!? ぐるなああああああっ゛!!」 泣き叫ぶでいぶ。 俺は恐怖に怯えるでいぶの前で片膝を折る。 その片足を付いた姿勢に優越感を感じたでいぶは、嫌らしい笑みをさせながら口を開いた。 「ゆ? でいぶはさすがだね!! くずにんげんは、やっとわかったんだね!? きんばっちでいぶはえらいんだよ!! すごいんだよっ!? りかいしたならあまあまもってきてね! こうきゅうひんでいいよっ!?」 げへげへと笑うでいぶ。 その瞳に携帯の画面を見せる。 「……ゆん? こんなのじゃ、しあわせ~! になれないよ!!」 「見ろ」 更にぐいっと押し付ける。 でいぶは仕方なく嫌そうに覗いていたが、段々と顔色が変わっていく。 「なんなの? なんなのぉおおおおおおおおおおっ゛!?」 そこに乗っていたのは金でいぶ自身のプロフィール。 飼いゆ時代の綺麗な体をした金バッチでいぶが笑う写真。 特殊なオーラを付加された金持ち使用の特注品。 その写真を切り裂くように走る、賞金首の平仮名文字。 「どぼじで!? どぼじで、でいぶはじょうぎんぐびになっでるのおおおっ゛!?」 でいぶはやっと自分が置かれている立場を理解した。 「でいぶは、かいぬじざんにあいざれでいるんだよっ゛!? いまはまだあえないげれど、さいっかいっ! したら、なーでなーでしてもらえるんだよっ゛!?」 でいぶは左右に体を振りながら泣き喚く。 まるで、これは悪い夢だといわんばかりに叫びだす。 「おめでとう。お前は歴代三位の賞金首だ」 目の前の金バッチでいぶに対し、ある種の敬意を示すように、 俺は携帯の画面を指で突付きながら祝辞の言葉を述べる。 このサイトでの賞金首リスト申請には、いくつかの特典が設けられている。 まず、元飼い主に対する簡易的な保護。 脱走した元飼いゆが悪事を働いたとしても、申請さえ完了していれば、 その固体に付けられた賞金額とサイトによる追加褒賞で、示談に持ち込みやすい。 そして、広く伝わる宣伝効果。 賞金額が高ければ高いほど、歴代ランキングに半永久的に乗る。 その際、自社等の宣伝広告などは自由に更新可能。 テレビでコマーシャルよりもよっぽど割が良い。 これを利用する為に、ゆっくりを故意に逃がす企業もある位だ。 結果、賞金額は高額の傾向になりやすく、狩りへの意欲も薄れることは無い。 野良ゆっくり達を駆除する為の法案が、新たな遊び場を作った。 政府は予想外の事態となり頭を痛めていたが、 この刺激的なゲームプレイ人口数は、急激に減少する事なく右肩上がりに伸び続けている。 「だずげでぐだざいっ!? でいぶをだずげでぐだざいっ゛!!」 低い気温で冷たくなった銃口をでいぶの眉間に当てる。 体と心が一瞬にして凍えたでいぶは、全身をぶるりと振動させた。 「どぼじでっ゛!? でいぶ、なにもわるいごどじでないのにぃいいいいいいっ゛!!」 親指で撃鉄を起す。 銃の中には、手製の激辛濃縮弾が込められている。 「そうだな」 俺はそう呟いた。 確かに、でいぶは悪い事をしていない。 これからするかもしれないが、それは未来にならなければ解らない。 「……ゆっ!? そうだよ!! でいぶはこんなにかわいいんだからね!? おうたもうたえるよ!! でいぶはとってもゆっくりできるよ!! かいゆにしてくれてもいいよっ!?」 俺は引き金に指をかける。 「お前自身は悪くない」 「ゆ~ゆ~ゆ~♪ ……ゆ?」 お歌を披露していたでいぶ。 既に助かった気でいるらしい。 哀れなゆっくり。 不幸なでいぶ。 「……運が悪かった」 不快な音を立てながらリボルバーが右回転を始める。 撃鉄が、ゆっくりと、動き出す。 「ゆ、ゆゆゆ、……ゆっぐぢざぜでよおおおおおおおおおおおおおおっ゛!!!?? 」 乾いた音が病院の廊下に響いた。 廃墟を後にする三人組。 「やっぱり親衛隊は囮だったみたいね。名も無い野良しかいなかったわ」 「意外と脆かったね。上位スタンレベルにまで行かずにゆっくりしちゃったよ」 「ま、上出来だ」 親友達が軽い不満を漏らしながら歩道を進む。 やはり、金バッチでいぶの他は雑魚ばっかりだったらしい。 俺は携帯を操作して入金手続きを行う。 直ぐに叱咤と激励のメールが大量に届いた。 「今日はあなたの奢りね。さて、行きましょうか」 「僕、いいお店知ってるんだよ。安くて美味しいオススメのお店なんだ」 「…はいはい」 まあ、危ない所を助けてもらった大恩があるからな。 逆らう気は全く無い。 「……ん?」 俺は何かの視線に気付いて廃墟を見上げた。 「何しているの? 早くいきましょう」 「どうかしたのかい? 他にオススメのお店があるとか?」 「いや、何でもない。そこにしよう。案内してくれ」 俺は見た。 病院の窓に蠢く影を。 あれが幽霊の類でなければ、また訪れる日もくるだろう。 そこに賞金首の獲物がある限り、どんな危険な地域でも足を運ぶ。 俺達は慈悲無き狩人。 " バウンティハンター " ・ゆっくり達が狩られるお話 使用している銃は五発薬莢装填タイプのハンドリボルバーガスガン ・バーコード(QRコード?)を 親ゆっくりが子ゆっくりに刻む絵を見たのがきっかけです それに独自設定と既出設定を色々と交ぜてみました 過去作 ふたば系ゆっくりいじめ 612 かってにはえてくる ふたば系ゆっくりいじめ 593 迷作劇場 ふたば系ゆっくりいじめ 572 ぎゃんぶらー ふたば系ゆっくりいじめ 507 火の用心 ふたば系ゆっくりいじめ 500 駄目だよ? ふたば系ゆっくりいじめ 458 ドゲスー ふたば系ゆっくりいじめ 449 希少種の価値 2 ふたば系ゆっくりいじめ 448 希少種の価値 1,5 ふたば系ゆっくりいじめ 443 希少種の価値 ふたば系ゆっくりいじめ 398 ゆっくり達を必殺技で葬る物語 ふたば系ゆっくりいじめ 382 穴だらけの計画とその代償 ・他、5点 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 飼い主が特定されると分かっててゆっくりを捨てるバカはいないだろ。 潰して処分するかバーコードを皮ごと破って読取不可能にする。 そして野良の子供や法律施行前に捨てられたゆっくりには当然バーコードがない。 設定に穴がありすぎ。 -- 2013-08-07 09 26 45 面白かったです! -- 2011-05-22 20 43 43 バーコード管理性か。作った子供にはないから繁殖したら困るな 面白い設定です~ -- 2010-10-20 21 19 53 なかなか面白い設定だった -- 2010-03-19 10 46 06
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ぎゃんぶらー 23KB 虐待 理不尽 家族崩壊 ゲス 現代 虐待薄め 銀色の硬貨が空き缶に吸い込まれていく。 金属音を響かせながら缶の中を暴れている百円玉。 微細な振動音を伴い、完全停止したお金を見て満足そうに頷く黒帽子のゆっくり。 そのまりさの側に居る家族達は、キラキラと輝く瞳で缶の中にある百円を凝視していた。 「ゆんっ! たしかにおかねさんをかくにんしたよ!」 家族の先頭で、薄汚れた風貌のまりさが声を上げた。 「これからちゅうせんをゆっくりするよっ!」 まりさはそう宣言した後、体を左右に揺らし始めた。 少し時間を遡る。 ここは先程と同じ場所にあたる2車線の市道。 俺はそこに設置された歩道をゆっくりと進んでいた。 今は休日の昼下がり。家にお菓子が全く無かったので購入する為、外に足を運んでみた。 近頃天気が曇りがちだったので久しぶりの日差しが肌に心地よく照らされる。 コンビニの袋に片手を突っ込み、ガサガサと煩く音を立てながら、先程購入した肉まんを取り出した。 まだ暖かくて良い匂いを漂わせる肉まんに、俺は辛抱たまらずかぶりつく。 肉まんの齧った歯形の断片から天に向かってい白い湯気が立ち昇る。 その芳醇な香りに再度魅了された俺は、片手に掴んでいる幸せの塊を口の中に押し込み、 奥歯でじっくりとモチモチの外皮やジューシーな肉汁を噛み締めていく。 まさにこの世の極楽浄土。 特選を冠に付けているだけの事はある。 「ん?」 俺は違和感を感じて足元を見下ろした。 先程安易に立てた袋の音と、漂う香りに引き寄せられたゆっくり達が、俺の足元に群がっている。 「そのあつあつのにくまんさんをまりさに……ゆぶぇっ゛!?」 「ちょうだいね!? れいむにゆっくりちょうだい……ごぶぅおおおっ゛!?」 「んっほおおおおっ!? とかいはなにくまん……あじずのぺにぺにがあああああっ゛!?」 「げほげほっ! ぱちゅにえいようさんをください……むきゅ?むしされたの? かなしいわ……」 俺はそのゆっくり達を蹴って踏んで千切って無視をした。 折角補給した栄養をそんなクズ共に使う事は無駄である。 半殺し状態のゆっくり達は、冷たい地面の上でグネグネと苦しそうにもがいて、その内動かなくなった。 哀れな野良ゆっくり達。 寒空の下、空腹でも無く事故でも無く、慈悲も与えられず潰されるという終焉を迎えたゆっくり達。 このゆっくり達に無かったのは運だった。 以前、物乞いしたら食べ物を貰えたという経験。与えられた事による自己備讃の増長。声を掛けた人物。 様々な不幸が交じり合い、大きな絶望を生み出した。 その結果がこの世とのお別れ。 だが、厳しい季節が訪れる前に永遠にゆっくりしたのは、幸せな事なのかもしれない。 道路を挟んだ向こう側の歩道でれいむ達が歌を歌っていた。 親れいむの周囲に寄り添う多数の小さな子供も声を高らかに上げて合唱を行っている。 しかし、心響く音色とは程遠い耳障りな雑音。 歌いきった家族は、"キリッ!"とした表情でおひねりの投入を待っている。 なんてずうずうしいのだろうか。 俺は道路を横断して潰そうかと思っていたその時、れいむ達家族の後ろにある店のドアが開いた。 れいむ達は顔を綻ばせ、現れた人物にずいずいと足元の空き缶を突き出しながら、何かをおねだりしている。 その悪びれないれいむ達の態度を見ていた店のマスターが怒りを爆発させた。 親れいむが肌色のお腹に蹴りを受けてお空を飛んでいく。 その短い滑空の後、地面に体を強く打ち付けて汚い声を漏らし、小さく弾みながらコロコロと道路中央に転がっていった。 親れいむは口から拳大の餡子を吐き、マスターを睨みながら道路の上で文句を言おうとして、 大きく口を開いたその直後、荷物を満載に積んだ4tトラックにサックリと轢かれ、道路上で黒い塊を撒き散らしながら爆ぜた。 それを見ていたれいむの子供達。 親と同じく大きなお口を開けたまま、悲鳴を高らかに上げている。 それがまた癇に触れたのだろう。 マスターはその場に屈みこみ、柔らかくて小さい子ゆっくり達を乗せている新聞紙の端を摘み、泣き喚く塊を包み込んでいく。 そして、その後店の裏へと消えていった。 「赤ちゃん達、ゆっくりしていってね~。ってか?」 歩きながら全てを見ていた俺は、そんな皮肉を無意識に口ずさんでいた。 「ゆっくりしていってねっ!」 「あかちゃんはゆっくりできるよっ!」 「?」 呟いた俺の言葉に応答が返ってきた。 少し目を見開きながら声のした方向に顔を向ける。 『『 ゆっくりしていってね! 』』 そこに居たのは地面に広げたチラシの上で互いに寄り添う家族の姿。 黒帽子を被ったまりさに大きなれいむ。それと赤ゆっくりが2体。ありふれた組み合わせだ。 さっさと潰そうと思いながら、俺は右足を上に持ち上げる行動を起す。 「まりさたちとしょうぶをしていってね!」 その言葉に俺の右足が止まる。 俺はその突拍子も無い発言に興味を引かれたのだろう。 何故ならば大人しく次の言葉を待っていたのだから。 「たったひゃくえんさんで、ごうかしょうひんがあたるよ!」 まりさは笑顔で愛想を振り撒いている。 周囲の家族も満面の笑みだ。正直気持ち悪い位の作り笑い。胸焼けがしてくる。 俺はその家族から視線を背け、ポケットから出した小銭入れから硬貨を取り出し、親まりさの前にある空き缶に百円玉を指で弾いた。 宙を舞う一つの硬貨。 空き缶に吸い込まれていく百円玉を見ている家族の笑顔は、段々と黒く薄汚れた笑みに変わっていく。 (こいつらは最悪だ) 弧を描きながら空を飛ぶ硬貨の軌跡に合わせて視線を移動させているゆっくり家族を見ながら俺はそう思った。 銀色の硬貨が空き缶に吸い込まれていく。 金属音を響かせながら缶の中を暴れている百円玉。 微細な振動音を伴い、完全停止したお金を見て満足そうに頷く黒帽子のゆっくり。 そのまりさの側に居る家族達は、キラキラと輝く瞳で缶の中にある百円を凝視していた。 「ゆんっ! たしかにおかねさんをかくにんしたよ!」 家族の先頭で、薄汚れた風貌のまりさが声を上げた。 「これからゆっくりとちゅうせんをするよっ!」 まりさはそう宣言した後、体を左右に揺らし始めた。 「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆっ……」 下手なドラムロールを口ずさみながら、目を閉じて激しく揺れる親まりさ。 暫く揺れた後、いきなり"ピタッ!"と止まり大きな声を上げる。 「はずれだったよ! ざんねんしょうをあげるね!!」 抽選結果を告げたまりさは、後ろに積まれていたゴミの山(そうとしか見えない)から、数本の草を咥えてきた。 そして俺の足の先に雑草が置かれる。色々と残念すぎる結果に頭が痛くなりそうだ。 「ハズレだったのかい? どんな抽選方法をしてるのかな?」 「それはごくひじこうだからおしえられないよ! でも、つぎはあたるきがするよ!」 「れいむもそうおもうよ! だからひゃくえんさんをいれてねっ!?」 キラキラとした欲望全開の瞳で追加を求めるまりさ達。 俺は財布から硬貨を取り出し空き缶に投げ入れた。 「ゆっくりさいちゅうせんするよ! ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ……!」 まりさがまたも左右に揺れながら口を小さく窄み唸り出す。 今回は追加のお金に興奮した親れいむも左右に体を揺すり出した。 ウザさ倍増。困ったもんだ。 「ゆっくりざんねんしょう! こんかいもはずれだったよ!」 またもまりさはゴミの山に顔を突っ込み、残念賞の石っころを俺に差し出した。 どう見ても道端の石にしか見えない。 「きれいないしさんだよ! よかったね!」 まりさは笑顔で俺に声を掛ける。凄く満面の笑みだ。 しかし、そのまりさの横で赤れいむが煩く騒いでいる。 「ありぇはれぇいみゅのちゃきゃりゃみょのにゃんだよっ!? ゆっきゅりかえちてにぇえっ!」 俺は地面に転がる石を摘んで目の高さに持ち上げる。 どう見ても普通の汚れた石にしか見えない。ここまで情熱的に叫ぶ魅力があるとはとても思えないのだが。 「ゆっくりがまんしてねっ! おかねさんのほうがきれいでしょっ!」 「やじゃやじゃああああああああっ! りぇいむはあにょいししゃんがいいにょおおおおおおっ!?」 「わがままばっかりいうわるいこは、ごきんじょさんのありすにれいぷされるよっ!」 親に説得されている赤れいむは全く泣き止む様子が無い。 俺はこれ見よがしに、宝物の小石をポケットへと放り込む。 「ゆえええええええええええええええええええんっ゛!」 それを見ていた赤れいむは大号泣。 親まりさ達は困った顔をした後、すぐさま怒り顔に変えて赤れいむに体罰を与えた。 俗にいうお尻ペンペンだ。 「ゆびやぁあああっ!? ぎょめんにゃちゃいぎょめんにゃちゃいいいっ!!」 「わがままいうこはおしおきするよっ!」 真っ赤に尻を腫らした赤れいむは体を横にしてすすり泣く。 大人しくなった赤れいむにご満足の親達は、やけにすっきりした笑顔を浮かべていた。 うん。やっぱりこいつら最低だわ。 「おにいさんまたちょうせんしない!?」 「つぎはぜったいあたるよ!」 息を荒くしながら詰め寄ってくる親まりさ達。 ちょろいカモを手に入れたとでも思っているのだろう。目の奥には"¥"の文字が爛々と光り輝いていた。 俺は少し大きめの硬貨を財布から取り出す。 それを見たまりさ達は目を見開きおしっこ漏らさんばかりの勢いで叫んだ。 「ごひゃくえんさんだよおおおおおっ!?」 「あれがあればおなかいっぱいたべれるねっ!? まりさっ!!」 こいつらがお金の区別が付くのは最初から予想の範疇だ。 現代社会の町野良ならば知っていても不思議ではない。 道端でしている技能を伴った物乞いの主は現金となり、中途半端な仏心を出して食べ物を与えると舌打ちされるのだ。 その後は当然『ゆっくりごときが何様だ!』と、潰される光景はこの周辺に限り日常茶飯事になりつつある。 「これで何回抽選が受けれるのかな? 5回位は出来るよね?」 「ゆゆゆっ。いっかいだよ! いちまいしかないからいっかいしかできないんだぜっ!」 「そうだよ! にんげんさんはばかなの? けいさんもできないの?」 まりさとれいむが一回しか出来ないと吼えた。 なんという業突く張りなのだろうか。地獄に落ちるのは確定だな。 単に計算が出来ない可能性もあるが。 「ゆっへっへ! それではちゅうせんをはじめるよっ!」 親まりさは、空き缶に入った五百円硬貨を舐め上げるように見つめた後、やっと抽選体制に入った。 ちなみに親れいむは、まだ缶に入った大きな硬貨を涎を垂らしながら見続けている。 「ゆゆゆゆゆゆっゆん! ゆん! ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ!」 何時もより長めの抽選が行われていた。俺は、 『別に結果は解りきってるからさっさと終われば良いのに。』と、思いながら大きくアクビして抽選報告を待つ。 「ゆじゃあーん! はずれだよっ! おしいところでとうせんをのがしたよ~。ざんねんだったね!」 親まりさはそう伝えた後、全身を使いゴミ山を俺に向けて押し出した。 ゴリゴリと地面を擦る音を鳴らしながら、ガラクタが俺の目の前に積みあがる。 「ごひゃくえんをくれたからさーびすだよ! まりさたちにかんしゃしてねっ!」 「さすがまりさはふとっぱらだね! ほれなおしちゃうよっ!」 「ゆわーい!こりぇでごうきゃなぎょはんしゃんだべりゃれるねっ!」 「ゆぐ……、ゆぐっ……。れぇいみゅのちゃかりゃもにょっがっ……」 幸せそうに体を擦りつけあっているまりさ家族。(例外1体) 赤まりさは親まりさの帽子に乗せられ、親れいむが七百円入った空き缶を咥えて商店街へと歩き出した。 思い焦がれるのは大量の食べきれないお菓子に埋もれたまりさ達。 夢一杯の家族は地面に泣き伏せる赤れいむの姿は瞳に映らない。 その場に赤れいむは置いてけぼりになり、ナチュラルに捨てられそうになっていた。 「もう一回勝負しようよ」 「ゆ?きょうはもうみせじまいだよっ! おとといきてねっ!」 「ゆっくりせずにりかいしてねっ! おにいさんはばかなの?」 かなり失礼な言葉を口走る興奮した一家。 大金を手に入れた為、頭に血(?)が昇っているようだ。 「そう言わずに勝負しようよ? ほら、これを賭けてさ」 ガサリと音を立てて左手のビニール袋を見せびらかすように持ち上げる。 『それがなんなの?』と言う顔でまりさ達は見ていたが、袋の口を広げて内容物を露にした時、家族の顔色が変わった。 中にはお菓子が入っていた。別にそれ程多くは無い。 でも、一仕事終えて空腹のまりさ達には魅力的に写ったハズだ。 お金を手に入れる欲求は先程満たした。残るは食欲のみ。 まりさ達は滝のような涎を流しながら解り易い欲望を露にしている。 「一回百円で俺とひと勝負。まりさが勝ったら全部あげるよ」 「ゆっ?ゆう……どうしよう」 「まりさ。どうするの?」 れいむは心配そうにまりさを見つめている。 まりさはうんうん唸りながら悩んでいた。 「ゆ~ん! ちょってもゆっきゅちできりゅあみゃあみゃしゃんだにぇっ! まりしゃありぇがたべちゃいよっ!!」 親まりさの頭上で赤まりさが興奮気味に叫んだ。 それがまりさの思考を狂わす。 「……いっかいだけ。いっかいだけするよっ!」 「毎度ありー」 親まりさは、側に居るれいむが咥えた空き缶の中から百円を取り出し、自分に言い聞かせるように呟く。 そして、舌で掴んでいた硬貨を俺の掌に乗せ、鼻息荒く気合を入れてその場で鎮座した。 「そうだな……勝負方法はこの百円玉がどちらの掌に入っているのか?に、しようかな」 俺は硬貨を両掌で少し泳がせた後、右手に握りこんだ。蝿が止まるような遅すぎるスピードで。 その様子をまりさ達はしっかりと見ていた。右手に硬貨が吸い込まれていくその状況を。 「さて、どちらにコインが入っているのかな?」 まりさは含み笑いが抑えきれなかった。 『この人間は本当に馬鹿でカモにしかならない奴だ!』と、心底思っていたのだから。 『百円であの大量のお菓子が手に入る! 今日はなんて最高の一日なのだろうか!』と。 「みぎてさんにはいってるよ! おまぬけなおにいさん!」 「右手にするんだね?」 俺はゆっくりを掌を開いていく。 まりさはお菓子を手に入れた後、『この間抜けな人間の目の前で見せ付けるように食べてやる!』と思っていた。 既に勝者の笑みで結果を待つまりさ。と言うか、待ちきれなくなってお菓子の入った袋へと少しずつ擦り寄っていく。 親れいむも上下に跳ねながら大喜びだ。 空き缶に入った硬貨が擦れる金属音が周囲に響く。 幸せ一杯のゆっくり家族。 その家族に賭けの結果が示された。 ぴるぴると体を震わせるゆっくり家族。 「どぼじであだらないのおおおおおおおおおおおおおおっ!!!?? 」 「まじざのばがああああああああああああああああああっ!!!?? 」 親れいむの口から叫び声が上がり、空き缶が地面へと転がっていく。 その中から硬貨の音は全くしなかった。 スッカラカン。 そう。中に入っていたお金は全て無くなっていたのだ。 お腹空いたと泣き喚く赤れいむ。 親まりさに詰め寄りながら文句を言い続ける親れいむ。口をへの字に曲げて、ゆうゆうと唸る親まりさ。 まだチラシの上でシクシク泣き続けている赤れいむ。 そこに幸せ一家の面影は無かった。 「もう終わり? 毎度ありがとうございまーす」 俺は七百円を片手で弄び、軽く宙へと舞い上げる。 その硬貨が舞う姿を見ていたまりさ達。『あれは自分達の物だったのに!』との思いが溢れ出し、 それが涙に変換されて肌色の頬を伝っていく。 まりさ達は最初の確信めいた勝負を外した。 男が開いた右掌には硬貨が無かったのだ。 驚きに目を見開くまりさ家族に男は伝えた。 『まだやりますか?』 それを耳に入れたまりさは、 『もういっかいだけするよっ!』 頭から火が飛び出さんかのような真っ赤な顔で宣言した。 親れいむは当然止めた。六百円あれば十分だと。 一番冷静だったのはこのれいむだけだった。 しかし、親まりさと赤まりさの暴走は収まらない。 追加の百円が消え、勢いのまま五百円を使おうとしたまりさ達を止めようと踊りかかったれいむを突き飛ばし、 理想の夢を求めて賭けに挑戦したまりさ達。 待っていたのはどん底に落ちていくような絶望だった。 カラになった空き缶を覗きながられいむが号泣する。 「れいむのごひゃくえんさんがなくなっちゃったよおおおおおっ゛!? どぼじでごんなひどいごどずるのおおおっ゛!!! 」 これで美味しいお菓子も購入する願いは叶わない。 お腹がこんなに空いているのに食べる物は何も無い。 自分達のなけなしの宝物(ゴミ山)は男に取られたのだから。 「れいむはかわいそうなんだよっ! ゆっくりそのあまあまをちょうだいねっ!?」 目をうるうるさせながらコンビニ袋へと近づいて来る親れいむ。 腹から絶えず鳴り続ける怪音が耳障りで不快極まりない。 「ゆっくりいただきまー、ごぶっ゛!? ゆうううううっ!!」 「お菓子に近づくな。れいむは馬鹿なの? 死ぬの?」 俺に蹴られて歩道上を転がっていく親れいむ。 それを誰も追いかけない所がもの悲しい昼下がりの午後。 れいむは、『ゆっ! ゆおっふ!?』と、おっさんみたいな声を上げながら、逆さになった体制を戻そうと懸命に足掻いている。 「わかったよ! おにいさんはいかさまをしてるんだね! まりさにはおみとうしだよっ!」 考え込んでいたまりさは"キリリ"とした顔で確信に迫る。 と言うか、今頃気付くのはいかがなものか。 「証拠はあるのかい? 負け犬野郎」 「まけいぬじゃないもん! まりさはゆうしゅうなゆっくりなんだからね! いかさまもできるんだよ。ゆっへん!!」 ペラッと暴露したまりさ。 伸び上がって偉そうに胸を張っている場合では無いのだが。 俺は溜息を吐きながら頭を傾げた。 「まあいいや。勝負は続けるかい?」 「ゆ……。でもまりさのおかねさんはなくなっちゃったよ!」 「別に賭けるのはお金じゃなくても良いだろ」 「ゆ?」 俺は親指をクイッと曲げてある物に向ける。 その場所にまりさの視線も釣られて動いた。 そこには飽きもせずスンスンと泣き伏せている赤れいむ。 まりさはお菓子の入った袋と赤ゆを交互に見ながら深く頷いた。 「やめてねっまりさっ! なにをかんがえてるのっ? あたまがおかしいのっ゛!?」 「はなすんだぜっ! れいむっ! はなせえええええええええっ!!」 まりさに体当たりされたれいむは、再度歩道をコロコロ転がっていく。 この家族の中では、地味に全身擦りキズだらけの不幸なれいむ。 「ぴゃぴゃやめちぇにねっ! れぇいむがきゃわいきゅにゃいのっ!?」 「ゆん?あー、かわいいかわいいよ? でもいまはすこしがまんしてね」 「いにゃああああああああああっ!?」 乾いた顔でまりさが愛の無い返答を赤れいむに伝える。 目が完全に何処か遠くを見ていた。 「それでは早速……」 「だめだよっ! べつのしょうぶにゆっくりかえてねっ!」 まりさはこの賭博では勝ち目は無いと見切っていた。 だから変更を訴えた。そうすればこの人間はボロを出すと信じて。 「……それじゃあ表裏当てにするか」 「おもて? うら?」 勝負内容はコインの表裏を当てると言う単純なもの。 回転を加えながら弾いた硬貨を手で受け止めどちらかを宣言する。 説明が終わりまりさが承諾した所で、俺は百円を空へと打ち出した。 (ゆっふっふ! これならかてるよ!) 嫌らしい笑みを浮かべながら勝利を確信したまりさ。 急に変えたこの勝負方法ならばイカサマは出来ないハズだとの思いがあった。 そうなれば優秀な自分が余裕の勝利を収める。そんな的外れな考えをしながら空に浮かぶ硬貨を見つめていた。 「はい。どちらでしょうか?」 「ゆ~。…おもてだよっ! まちがいんだぜっ!」 ゆっふー。と、息を吐きながら予想を声に出したまりさ。 その顔は自信に満ち溢れていた。 「残念でしたー。裏でーす」 「ゆええええええええええええええええっ!?」 一瞬にして自信が崩壊。 俺の投げた残念賞の雑草が、まりさの湿った顔にペタリと張り付いた。 「どぼじでっ!? ごんなのおがじいよおおおおおおおおっ!!」 まりさはその場でゴロゴロと転がる。 相当悔しいらしい。 「それではもう一回しようか? 次なら勝てると思うよ」 「?」 泥に塗れた顔を上げたまりさ。 そこには男の手に摘まれて宙に浮かぶ赤まりさの姿があった。 「かっ……かえしてね!? まりさによくにたかわいいあかちゃんかえしてねっ!!!?? 」 赤れいむとの違いが解るゆっくり。その名はまりさ。 凄まじい贔屓を垣間見た瞬間だった。 「大丈夫だよ。まりさなら勝てるさ。もう一回だけ……そうだろ?」 「ゆん……もういっかいだけ? そうだね……もういっかいだけ……」 俺が囁く悪魔の言葉でまりさは誘惑されていく。 まだ見ぬ未来の可能性を信じて夢を追い続ける。 進むべき道など無いという事も解らないままに、まりさは懸命に走り続ける。 まりさはもう後に引き返せない。 「ゆっ……ゆへへへへへへへ」 まりさが道端で仰向けになって空を見上げている。 大きく変わった所をいうならば、自慢の黒くて立派なお帽子が無い。 見開いた両目からは止まる事無く涙が流れ続けていた。 あれからまりさはまたも全敗。 赤まりさというコインを失い、その後ツガイのれいむをBETしたのだが、あっけなく連敗。 苦汁の決断をして自分のお帽子を賭けの対象にしたがあっさりと負けた。 この短い文章で説明が終わる位の見所が全く無い一方的な負け戦だった。 「ゆ~ん! ゆっくりおにいさんのうちにいくよ! すっごくたのしみだよ~」 「れぇいむのちゃかりゃもにょおきゃえりにゃさい! しゅーりしゅーりしゅるよっ!」 「まりしゃはおにゃかしゅいたきゃら、あみゃあみゃたべしゃせてにぇっ!」 賭けの対象で手に入れたれいむ親子が俺の手元で煩く騒いでいた。 れいむはツガイの黒帽子を被り、既に俺のパートナー気取りだ。 赤ゆ共は相変わらず煩い。というか赤れいむの執念は凄いと感心せざるを得ない。 赤まりさの態度は終始ムカツクだけだった。 「賭けをしようか?まりさ」 「ゆへへへ! するよっ! いっぱいするよっ!」 俺は赤まりさを摘んで空高く持ち上げる。 「この高さから赤まりさを落としたら、息があるのか絶えるのか。さぁドッチ?」 「ゆへへへへへっ! しんじゃうよっ! ゆっくりしちゃうよっ!」 喚く赤まりさを地面へと投下する。 その際の親れいむは、喚く事も涙も流そうともせずに、落ちる赤まりさを無表情で見つめていた。 この親の冷たい仮面を視界に焼き付けて赤まりさは地面へと落ちていく。 赤まりさは硬い硬いアスファルトの表層へと近づいていった。 「おめでとう。まりさの勝ちだ! 商品は落ちた赤まりさをプレゼントしよう」 「やったよ! ゆははははは! まりさはゆうしゅうだよっ! うめっこれうめっ! あまあましあわせええええっ゛!!! 」 ザリザリと地面を舐める帽子無しまりさ。 あまあまと勝利を手に入れて凄く幸せそうだ。 「こんなごみはゆっくりできないよ!」 「……ちゅーやちゅーや。むにゅむにゅ」 かつてのツガイを一瞥して上から目線で貶す親れいむ。 宝物を胸に抱え、泣き疲れて眠りに付いた赤れいむ。 「そうだな。ゆっくり帰るか」 「きょうのばんごはんは、はんばーぐにしてねっ! ぜったいだよ!? やくそくだからね!」 俺は右手に肌色の荷物を載せて帰宅する事にした。 「こんなものはいらないよ! ぽいぽいするよっ!」 親れいむは被っていた黒帽子を勝手に放り投げる。 帽子はふわふわと漂い地面へと落ちた。 「ゆへへへへ!……ゆ? まりさのおぼうしだああああっ! ゆうしゅうなまりさのおぼうしだああああっ゛! げはははは!」 千鳥足で帽子を追いかける壊れまりさ。 それを横目に俺達は歩道をまりさとは逆方向へと進んでいく。 「まてまてえええええっ! まりさからはにげられないんだぜえええええっ゛! ゆやっほおおおおおっ!」 車道へと風で帽子が流されて、まりさもそれを追う形で足を向ける。 そして、遥か前方を歩いていた俺の横を、大きなトラックが通り過ぎて後方へと進んでいく。 その直後、何かが爆ぜる音とくぐもった声が聞こえた。 だが、その声にれいむ達は全く反応を示さない。 まだ見ぬハンバーグに夢中の親れいむと、睡眠から覚める事が無い赤れいむ。 興味を失った物に対しての非情さは、流石ゲスと言わざるを得ない。 こうしてまりさ親子達のゆん生は静かに幕を閉じた。 鮮やかなテーブルクロスの上に皿が置かれた。 白い湯気が立ち上り美味しそうな匂いが周囲に広がっていく。 「ゆゆゆゆっ! はんばーぐさんだよおおおおおおおおっ!」 「しゅっごくいいにおいだにぇっ!」 それはれいむがリクエストしたデミグラスソースたっぷりのハンバーグ。 肉厚があるハンバーグの上に乗る乳白色のチーズがトロリと溶けてお肉を包み込んでいた。 側に添えられたニンジンとポテトからの甘く香ばしい匂いもたまらない。 立ち上る蒸気を口に含むだけで濃厚な味が口内に広がる感触がある。 食べたらもっと幸せになるに違いない。 「いただきまーす!」 大きな口を開けて歯を噛み締める。 しかし、素晴らしい幸せは訪れず、勢い良く閉じた歯の打ち鳴らす音だけが辺りに響いた。 「ゆ!? れいむのはんばーぐさんゆっくりかえしてねっ!」 「れぇいみゅは、おにゃかちゅいてちんじゃいしょうだよっ!?」 俺は食器を掴み高い戸棚の上へと置いた。 れいむ達は必死に体を伸ばして何とか食べようとするが、到底届くような距離では無い。 「おまえはばかなの!? それともあほなの!? むしろしねえええええええっ゛!」 「きゃわいいれぇいむがしぇくしーぽーじゅをひろうしゅるよっ! ちらっ! こりぇでみゃんじょくちた!? しゃっしゃとよこちぇ! きゅしょやりょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ゛!!! 」 態度が増徴していく赤れいむに強めのデコピンを一発お見舞いした。 苦しげな声と共に、テーブルの上を面白いくらいに転がっていく。 「れいむのゆっくりしたおちびちゃんがあああああああああっ゛!?」 まりさの時には決して上げなかった悲痛の声を叫ぶ親れいむ。 涙ながらに転がっていった赤れいむを追って行く。 「さて、勝負をしようか?れいむ」 「なにをいっているの? ばかなの!? しぬ……」 れいむの言葉が途中で止まる。 鈍く光るハサミがれいむの前に突き出されたからだ。 「今から勝負をしてれいむが勝ったらハンバーグを与えよう。ただし、負けたらそのリボンを貰う」 「ゆゆゆゆ!? れいむのすてきなおりぼんは……」 「別に違うのでもいいぞ。例えば……あそこに居るアレとかな」 「ゆ?」 れいむはアレを見つめて渋い顔をしながら考えた。 自分の大切なリボン。可愛いアレの存在。美味しそうなハンバーグ。勝算の割合。 頭の中の優秀な天秤で答えを導き出したれいむ。 顔を上げたれいむの目は輝いていた。 「……そうか、それでは始めようか?」 「ふん! れいむにさからったことをこうかいしてねっ!」 賭けの対象にされた哀れなアレが泣き叫ぶ。 小さなリボンがバラバラにされる未来しか無いのに、親のれいむは自信満々で勝負を受けた。 ハンバーグが冷める頃には何らかの決着が付いてるだろう。 それまでれいむは悲痛を込めて叫び続けた。 「どぼじでぜんぜんかてないのおおおおおおおおおおっ!?」 れいむ達。ここ一番の勝負で俺に勝てる訳がないぞ? なにせ、俺は息を吐くようにイカサマをするゲスなのだから。 ・イカサマ(?)のお話 ゆっくりが勝てる要素が見当たらない こんな子供だまし以下の技量でも簡単に引っ掛かりそう ・自分が考えているれいむ達のその後は 体のパーツを賭けながらジックリと絶望を味わっていくという結末です 過去作 ふたば系ゆっくりいじめ 507 火の用心 ふたば系ゆっくりいじめ 500 駄目だよ? ふたば系ゆっくりいじめ 458 ドゲスー ふたば系ゆっくりいじめ 449 希少種の価値 2 ふたば系ゆっくりいじめ 448 希少種の価値 1,5 ふたば系ゆっくりいじめ 443 希少種の価値 ふたば系ゆっくりいじめ 398 ゆっくり達を必殺技で葬る物語 ふたば系ゆっくりいじめ 382 穴だらけの計画とその代償 ・他、4点(収録済み放置) トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ぱちゅりー愛 -- 2016-08-30 16 52 59 ぱっちぇさん… -- 2011-08-12 18 22 12 適当に拾ったゴミかと思ったら子供の宝物で驚いた…… ってかごみ拾ってくるぐらいの手間惜しむなよ饅頭w -- 2011-05-12 23 12 49 ぱちゅりーは横で死んでるゲス共で栄養補給しときな。 -- 2011-03-07 01 45 19 赤れいむへの虐待がもっと見たかったw -- 2011-02-17 15 58 08 ゆっくりは欲望に忠実かつ自分の都合の良い方向に考えるんだから 賭け事を前にしたら絶対に賭けるだろうなw -- 2010-11-10 00 51 38 賭け事に何か手を出すからーwww ゆっくりに賭け事させたらあっと言う間に破滅しそうだな -- 2010-10-17 11 53 11 れぇいみゅが一番ウザかった。一人で泣き続けたまま一生放置されて野垂れ死んで欲しいな、とちょっと思った。 -- 2010-09-14 15 49 21 通りすがりのぱちゅりーが何か気に入ったw 幸せになってほしい。 -- 2010-08-26 18 07 00 楽しそうな遊びだ。このSSさんはゆっくりできるな。 「げほげほっ! ぱちゅにえいようさんをください……むきゅ?むしされたの? かなしいわ……」 このぱちゅりー良い子っぽいのでなんか残念。 -- 2010-08-09 17 23 38 イカサマは極めれば美学 それを理解できないゲスゆっくりは死んで当然w ざまぁw -- 2010-08-05 03 22 24 目の前にある幸せを賭けのために手に入れられないゆっくりはざまみろだね! -- 2010-08-04 23 18 38 こういう虐待もありか。 -- 2010-07-20 14 06 57 ドゲスなんだね~わかるよ~ -- 2010-06-08 22 24 53
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~注意~ 舞台が少し特殊です。キノの旅みたいな感じです。もしくはドラクエ 虐待描写が少ないと思われます。頑張ったんですが… 『虐める国と愛でる国』 さわやかな朝日が大地を照らす早朝、旅人は二つの看板の前で立ち往生していた。 看板はそれぞれの看板が指し示す先の場所が書いており、 片方の看板には「ゆっくりを虐める国」もう片方は「ゆっくりを愛でる国」と書いてあった。 旅人は別にゆっくり愛護派でも虐待派でもなかったので、どっちでもよかったのだ。 旅人はゆっくり三十分もの間悩んだのち、両方行くことに決めた。 「やあやあよくいらっしゃいました。我が国はあなたを歓迎いたします」 旅人が最初に行った虐める国で、旅人は歓迎されながら入国した。 珍しかったり、貴重である物資を運んでくることがある旅人は、その国では大層人気があったのだ。 旅人は自分の持っていた、前の国で仕入れたものを適当に食料や消耗品などと交換したのち、国の広場で住人たちとの交流を図った 「すいません。よろしければこの国について教えてはいただけないでしょうか」 「ああ、旅人さんはこの国に興味がおありですか。喜んでお教えいたしましょう」 するとたくさんいた住人の中から、代表格と思われる男か一歩前に出てきて、旅人に答えた。 旅人は、国に入ってからずっと気になっていたことを、男に聞いた。 「あの歩道は何ですか?」 旅人が示した先には、透明な物質で作られている歩道があり、中は空洞であるらしく、そこにはたくさんのゆっくりたちが蠢き合っていた。 その口から見てとるに、「ごごがらだじでぇぇぇぇ!!」「でいぶわるいごどじでないよぉぉぉぉ!!」などといっているようにみえる。 防音加工なのか、その声を聞き取ることはできなかったが。 そしてその歩道の上を、行き交う住人たちが何事もないように通過していく。 「あれですか。あれは我が国のゆっくりにゆっくりさせない政策の一環として作られた、専用の歩道です。 閉じ込めて死ぬまで放置します。しんでも放置しますが。 我が国の歩道は、すべてあのような作りとなっています。歩くときにも、ゆっくりの苦しむ顔が見れると好評なんですよ。 騒音対策のため防音加工にしておりますが」 「そうですか。さすがゆっくりを虐める国ですね。その政策は、ほかに何かあるんですか?」 「もちろん、ありますよ。ここからだとちょっと見えないですが、ゆっくりを使った奴隷農園などもあります。 ゆっくりに強制労働させる農園です。 ゆっくりをいじめることができて、かつ野菜も収穫できるんですからまさに一石二鳥ですね」 男は自分の趣味の分野に入ったせいか、少し興奮した様子だった。 対照的に、旅人は落ち着いた様子で言葉をつなげていく。 「なるほど。しかしあのゆっくりたちに労働させるのは大変でしょう?」 「そんなこともないですよ。従わなかったらいじめるだけですから。 肉体的に攻撃する以外にも、家族を殺したり、餌をひどいものにしたり、手段はたくさんあります。 最近だと、見せしめなどがはやってますかね」 旅人が怪訝そうな顔になるのを見て、住人は饒舌に語りだす。 「見せしめ、ですか?」 「ええ。百メートル間隔で棒を立てて、そこにゆっくりを突き刺しておくのです。もちろん生きたままで。 そして、見せしめとされるゆっくりは、私たちに逆らったものが優先的に選ばれます。 するとゆっくりたちは自分がああなったらという恐怖感と、自分でなくてよかったという安心感が両方得られるわけですね。 こうなったらもうそのゆっくりは逆らいませんよ。限界ぎりぎりの労働を死ぬまで続けるだけです。 あくどい奴だと、告げ口してほかのゆっくりを貶めようとするやつだっているんですから、笑っちゃいますよね」 旅人は男の笑みに対し愛想笑いで応える。 それでも興奮していた男は愛想笑いと気づかなかったようで、旅人も楽しんでいるよう勘違いして勝手に気分を良くしていた 「そのほかにもありますよ。我が国の自慢である、ゆっくり加工品です」 「ゆっくり加工品、ですか。どんなおやつなんですか?」 「あっはっは、食べ物じゃないですよ。ゆっくり硬化剤を利用して、いろんなものを作るんです。 例えば…このストラップですか」 住人は懐から赤ちゃんゆっくりを模したストラップを旅人に見せた。 その顔は苦悶に満ちた表情で作られており、そして本物と見まごうほどに精巧にできていた。 「これは…まさか、本物を固めたんですか?」 「その通りです。生きたゆっくりに苦しめながら硬化剤を与え、固めたものです。もちろんまだ生きてますよ。 これはかなり簡単なもののほうで、ほかにも机や椅子などの家具などもありますし、花瓶などの調度品もあります。 柔化剤を与えてゴムのように柔らかくしてから鋳型にはめ込んで、それから少しずつ硬化剤を流し込むんです」 旅人が触れると、かすかにそのストラップは震え、そしてかすかながらうめき声のようなものが聞こえてきた。 それはゆっくりの、まだ自分は生きているのだという懸命の訴えだったかもしれない。 しかし、それすらもここの国の民にとっては娯楽の対象でしかない。 「生かさず殺さず、ゆっくりに地獄を味わわせられるんで、今国中で大人気です。 これもわが国の技術のたまものです」 住人は自慢げに胸を張り、自らの国の技術について語った。旅人は愛想笑いでそれに応えた。 それからも旅人はずっと、住人たちからゆっくりいじめの話を聞き続けた。 共食いをさせた。 目の前で家族を三枚に下ろした。 やすりで削った。 火鉢を目に突っ込んだ。 皮を全部剥ぎ取った。 蟲の巣にした。 そんな、健常な精神の持ち主ならば失神してしまうような話をするときでも、住人達の顔に浮かぶのは悦のはいった笑みだった。 子供のような、本当に楽しそうな笑み。会話の中から漏れ出てくる純粋な悪意。 住人たちの心は、ひたすらにまっすぐだった。普通の人の心とは、すこしも交わることがないくらいに。 旅人は、そんな住人たちのことを乾いた笑みで眺めていた。 旅人は翌日から、国内にあるいろんな施設を覗いてまわった。 奴隷農場や、専用のショップ、そして加工場など、多くの施設があり、多くの人間がそこでゆっくりをいじめていた。 「あづい、あづいよぉぉぉぉぉ!!あじがやげちゃうよぉぉぉぉぉ!!」 「でいぶのあがじゃんをころざないでぇぇぇぇ!!」 「いだいっ!!まりさしっかりはたらくからだだぐのやべでねぇぇぇぇぇ!!」 「ゆっくりでぎないぃぃぃぃぃ!!」 施設の特色を生かして、さまざまな方法でゆっくりはいじめられていた。 いや、施設外ですらも、ゆっくりはいじめられている。 定時の時報はゆっくりの悲鳴で、大時計の中に閉じ込められているゆっくりが鳩時計のように中から出てきて、そして解体される。 その悲鳴を発する種族で、人々は時間を知るようだった。 公園では、子供たちが無邪気にゆっくりの体に箸を突き刺して遊んでいた。ゆっくりがどれだけ痛いと、やめてと叫んでもやめなかった。 むしろ、その悲鳴がどれだけ絶望に満ちているかで、子供たちは競っているようだった。 旅人が街の中を普通に歩くだけでも、近くの家の中からゆっくりの悲鳴が聞こえた。 それを聞いて、道端の人が「きょうはまりさにするかぁ…」と呟いていた。 どこもかしこも、悪意だけが蔓延っていた。 旅人は、ただそれらをじっと眺めていた。 一週間ほど滞在したのち、旅人はその国から出ることにした。 入国した時と同様に、出国する時も住民に歓迎されながら見送られた。 その際に、虐待用にと、一匹のゆっくり(この国の技術によって、何も与えずとも一カ月以上生き続ける用に加工された特殊タイプ。 しかしおなかは減るらしいく、空腹のまま生き続けるというタイプのいじめらしい)を無料で譲渡され、旅人は快く受け取って住人たちに別れ告げた。 そして国と外の世界を隔てる門にて、一人の門番に旅人に話しかけられた。 「旅人さん、どうでしたか?我々の国は。楽しんでいただけましたでしょうか」 「ええ、とても。退屈しない一週間でした」 「それはよかった!いやね、ここに来る人って、私たちの行為に嫌悪感を表す人が多いんですよ。 わざわざ国の名前までにして、うちの特色を示しているっていうのに。 特に隣の国のやつらがしつこくてね。ゆっくりを助けろーだとか言ってうちにやってくるんです」 「そんな人もいるんですか。あなたも大変ですね」 「まったくですよ。あんな下等生物、生きているだけでも罪なんです。 だから、苦しめて殺してやるのが当然ってものでしょう?ほんとうに何考えているんだか…」 そうですね、と旅人は答え、そして門番に別れを告げた。 それから旅人が門から一時間ほど歩き、国の門すら見えなくなるほど離れたことを確認すると、 旅人は懐にあったゆっくりを何の躊躇もなく口の中に放り込んだ。 それは旅人にとって邪魔なだけであったし、またそれをわざわざ虐める気も起きなかった。 コクのあるあんこの甘みが口の中に広がり、結構おいしいな、と旅人は思った。 「やあやあよくいらっしゃいました。我が国はあなたを歓迎いたします」 旅人が虐める国を出てから一週間後。今度は愛でる国で、旅人は同じように歓迎を受けた。 そして同じように、旅人は手持ちの荷物をその国の商品と交換した。 その後も同じように住民との交流のために広場に向かい、特筆すべきでもない会話を交わした。 旅人が入国してから翌日の昼、旅人は町中を散策していた。 「なんていうか、どうやっていうか、要するにっていうか、ひまだ」 旅人はずっと国中を回っていたが、珍しい商品も、面白い話もなにも見つけられないままこれまでを過ごしていた。 人がんはみな自分のゆっくりを自慢するだけだし、そのゆっくりは確かに人間に懐いているように見えたが、 みなどこか目がうつろで、正直気味が悪かった。 仕方なく、出国の準備のために買い物をしていた時、 明らかに過剰装飾な一匹のゆっくりれいむを連れた、これまた気味が悪くなるほど豪華な身なりをした若い女に声をかけられた。 「おや、旅人さん。こんにちは」 「こんにちは。そちらのれいむは、あなたが飼っているゆっくりですか?」 旅人が目を向けたゆっくりれいむは、しかしなにも言葉を発することなく、ただじっと旅人のことを見つめていた。 その髪につけられたきらびやかな飾りが、旅人に反射された光を送るだけだった。 女は愛おしそうにゆっくり霊夢の頭をなで、 「ええ、そうですよ。ほら、れいむも旅人さんに挨拶しなさい」 「たびびとさん、こんにちは。ゆっくりしていってね!!!」 女に言われて初めて、れいむは旅人に言葉を発した。 通常のゆっくりならば出会いがしらにそう叫ぶものだが、ここのゆっくりは躾が行き届いているのだろうか、みな同じようだった。 「飼い主の言うことをよく聞く、立派なゆっくりですね。これほど躾けるのにはとても苦労しそうです」 女は旅人の言葉に一瞬キョトンとした後、あはは、と笑い出す。 「いやいや。実はそんなこともないのですよ、旅人さん。 我々の国にかかれば、ものの二週間でゆっくりを人の言うことをしっかり聞くまで躾けることができます」 「二週間でですか?それはまたすごいですね…」 旅人は女の言った事実に、驚きを隠せないようだった。 通常、ゆっくりブリーダーがゆっくりの躾を完了するのに、半年ほどかかるといわれている。 あのゆっくりのあの異常なまでに強い自我を根本から変えるには、それほどの時間がかかるのだ。 それをこの国では、たったの二週間である。どれだけ腕のいいブリーダーだとしても、この早さは不可能である。 どうしてだろうか、と考えを巡らす旅人の様子を見て、女は少し得意げになったようだった。 「そうだ!旅人さん、これからうちの仕事場に来ませんか?」 「仕事場に、ですか?なんでまた?」 「実は足国営のゆっくりを躾ける施設の館長なんです。 旅人さんさえよろしければ、ゆっくりを躾ける過程をお見せ出来ます」 「いいんですか?国家機密とかじゃないんですか?」 「大丈夫ですよ。むしろこの素晴らしいしすてもを旅人さんに知っていただいて、ほかの国に伝えてほしいくらいです」 女の話が気になったというのもあったし、何より暇だった。 旅人はいったん買いものを切り上げて女のあとについていくことにした。 「ようこそ、旅人さん。さあさあ、お座りになってください」 旅人は女に案内され、『館長室』という札が書かれている部屋に入った。 その部屋は、優に十五メートルはあろうかという無意味に広い部屋に、見るからに眩しそうな、 金やら銀やらでできている調度品の数々が所狭しと並べられている。 壁にはどでかい薄型テレビがかけられており、そのふちも例外なく金ぴかだった。 女は身につけていた装飾品をとり、身軽な格好になってからゆっくりを部屋の外から追い出して鍵を閉めた。 そして棚から急須を取り出し、机にあるカップに注いで旅人の前に差し出した。 「はい、お茶です。遠慮なくお飲みになってください」 「ありがとうございます。わざわざすいません。でもいいんですか?れいむを外に追い出してしまって」 「いや、いいのですよ。お気になさらないでください。ここには今人もいませんから」 二人はゆっくりの絵がバックに施された、見るからに高そうなソファーに並んで座った。 そのソファーはテレビに向かって座るように配置されており、 旅人はデモビデオでも見るんだろうかと思ったが、近くにビデオデッキのようなたぐいは見受けられない。 女は自分の分のお茶を注ぎ、一口だけお茶を口に含んだ。 「このモニターで、わが国が誇る最新のゆっくりしつけシステムについて解説したいと思います。 どうぞ、くつろぎながらお聞きになってください」 旅人は自分もいっぱいお茶を口に含んだ。 味の薄い、庶民が飲むようなあっさりとしたお茶だった。 ソファーの端にあったリモコンに手を伸ばす。 女がリモコンのボタンを押すと、先ほどまで何も映していなかったテレビに映像が浮き出る。 そこには、一匹のゆっくりが、壁も床も天井も、すべて真っ白く装飾された部屋に閉じ込められていた。 また、そのゆっくりは動けないようにワームのようなもので固定されており、 口にはガムテープ、耳にはヘッドフォンのようなものがつけられている。 また、そのゆっくりの脳天には一本のチューブがつき刺さられており、白い壁とつながっている。 「ここは転生の間と言って、野性としての本能を忘れさせる部屋です。いち早く教育するための下準備ですね。 野生の、野蛮な環境で培ってきたものは、私たちの国では必要ありませんから」 「はぁ、でもなんか辛そうですけど」 身動きが取れず、涙をだくだくと流しながら必死に動こうと震えているゆっくりを見て、旅人は率直な感想を漏らした。 確かに旅人の言う通りのものが映像として映っていたので、女も苦笑するしかない。 躾にしてはあまりに過激なその仕打ちは、旅人が以前いた国で見たそれに酷似していた。 「大丈夫ですよ。躾が完了するころにはこのころの記憶なんて残っていませんから」 忘れてればいいという問題ではないような気がしたが、 そうにこやかな表情を少しも崩さずにそう言い切った女を見て、旅人はそうなんですか、とだけ相槌を打った。 「それで、具体的な内容はというと、白以外の、すべての視覚的刺激を奪った部屋に閉じ込め、また時間の感覚を奪うために一定の光量を与え続けます。 耳についているヘッドフォンからはこれまでのゆっくりを否定する言葉を流し続けます。 そして死なないように、適度にオレンジジュースを投資ながら二日間ほど放置すればたいがいのゆっくりはすべてを忘れてくれますね。 まあ個体差があるので、念のため四日間これを続けます」 女は口のテープには触れていなかったが、あれはおそらく自殺防止用だろうと旅人は推測した。 虐める国で、発狂したゆっくりが体中のあんこを吐いて死ぬのは散々見てきたので、女に確認はとらなかった。 女は一口お茶を口に注いで、のどの渇きをうるおす。 「ふぅ。で、これが終わった次の工程はこちらです」 女はリモコンを操作してテレビの画面を切り替える。 今度映ったのは大学の講堂のような空間だった。 壁に掛けられたスクリーンを取り囲むように、扇状に椅子のような段差が並んでいる。 そして生徒が座る場所にはうつろな顔をしたゆっくりたちが整然と並べられていた。 「わが国で人間と一緒に暮らしていくために、ビデオ教育を施します。 ああ、ちなみにあのゆっくりたちは身動きが取れないように、地面から突き出ている杭に突き刺しておりますので、脱走の心配はありません。 またゆっくりたちに痛みを与えることで、意識を回復させることも目的の一つです。 ゆっくりたちにとって辛いことかもしれませんが、ここが踏ん張りどころです」 「まあ、気を失ったままの状態でビデオを見せても、意味はないでしょうからね」 女の言う通り、テレビに映っているゆっくりたちは個体差はあるものの、だんだんと目に光がともってきたようにみえる。 しかしそれは、自身に走る激痛による強制的な覚醒であったが。 「意識を回復、といっても自我は崩壊しておりますので、あのゆっくりたちの頭の中はかなり白紙に近い状態となっております。 だからその白紙のゆっくりたちに…ええと、なんだっけな…」 女はことばを度忘れしたのか、少しの間首を傾けながら悩んでいた。 そして目をかっと開いたかと思うと、指で空中に人間の顔のようなものを描き、 「つまり、ヘブンズ・ドアー!!するわけです」 旅人はポーズを取ったまま固まっている女をじっと見つめ、静かに口を開いた。 「……つまり、命令を書き込む、ということですか。白紙のゆっくりに情報を『刷り込む』わけですね」 「ええまあそうなんですが……もうちょっとリアクション取ってくれても……」 「………………………………」 女はそこで旅人が「だが断る」と言ってくれることをアイコンタクトで知らせたつもりだったが、旅人は黙って女を見返すだけだった。 現実は非情である。 女は仕方なく画面のほうに視線を戻し、何事もなかったかのように説明を続けた。 「ええ、その『刷り込み』をするわけです。ゆっくりに、ゆっくりすることのに対する新しい概念を刷り込みます。 いくらがんばって躾を施しても、ゆっくりとしての本能だけは残ります。つまり、自分がゆっくりすること、ですね。 ですから、そのゆっくりすることに対する概念を変えれば、必然的にゆっくり自体の性質も変わるわけです」 女はそこまでいってリモコンをいじり、再び画面が切り替わる。 そこにはかわいい女の子がゆっくりれいむを抱きかかえている絵を背景として、文がいくつか書かれていた。 画面上方には『ゆっくりすることってなあに?』というタイトルのような文が、少しだけほかの文の文字よりも大きめの文字で書かれている。 そのタイトルの下に、いくつかの文が箇条書きにして書かれていた。 「みんなとと仲良く暮らすこと。他の人の言うことはきちんと聞くこと。自分だけでなくみんなも大事にすること……」 旅人がその内容を音読していくが、どれも野生のゆっくりの持つ『ゆっくりすること』とはかけ離れていた。 自分よりも、人間のため。自分よりも、ほかのゆっくりのため。 自身を最も至高とするゆっくりにとって、ありえないことばかりであった。 「その内容を教え込むために、この内容を何度も何度も音声として流し、また復唱させます。 そして約三十回ごとに、声に気持ちがこもっていない等の理由で罰を与えます。 この罰は、実際にゆっくりたちがしっかりと復唱できてようがいまいが関係なく与えます。 ゆっくりできないとどうなるか、体に覚えさせるわけですね。ここら辺は、一般のブリーダーの教育方法と変わりません」 女が講堂のほうに画面を戻したその瞬間、一斉にゆっくりたちの悲鳴が室内に響き渡る。 その声の大きさに旅人は思わず顔をしかめ、女はあわてて音量を下げた。 「ああ、すいません。音量調節を忘れていました……」 「いや、いいんですけど、それよりもどうしてあのゆっくりたちは悲鳴を上げているんですか?」 画面に映ったゆっくりたちは、一目見た感じでは、なにもされている様子が見受けられない。 しかし、当のゆっくりたちは何かに苦しむように、ひたすら絶叫を上げていた。 「中に刺さっているとげから、さらに細長い針のようなものが出てきて、中身をこねくり回すんです。 あまり外側を傷つけると、回復が困難になったり、傷が残ったりしますから。 まれにここであんこを吐いて死んでしまうゆっくりがいるんですが、大半はもどすことはありません。 先の部屋でさんざん口の中にあんこを吐いて、またそれを飲み込む作業を続けていますから、体が吐くことを嫌がっているんです」 女の言ったとおり、その画面の中でどれだけゆっくりたちが苦しんでいても、あんこをぶちまけるようなゆっくりはいなかった。 ただずっと、内部に走る激痛と不快感に、悲鳴を上げ続けることで耐えているだけだった。 「まあ、ここまでこればもう見せるようなことはないですね。 後はこれを五日間ほど続けた後、残りの五日間で低下した運動能力、張り、艶などの保全作業をして、国民のもとへ送り届けられます。 細かいしつけは、それぞれの家で独自にやっていただきます。 通常のゆっくりを躾けるよりも、はるかに簡単に躾けられるでしょう」 女はそこでテレビの電源を落とし、旅人のほうに向きなおった。 「ここまではすべて機械が自動で行っており、作業員はその工程を見ることはありません。 仕事といってもジュースの補給や機械の点検くらいなものです。 あと、今のは成体ゆっくりで見せましたが、子ゆっくりにも専用の工程があります。まあ似たようなものなんですが、ご覧になりますか?」 「いや、結構です。ありがとうございました」 旅人は太ももに肘をつけて前傾姿勢をとり、女からは顔が見られないような位置をとった。 そしてその状態のまま、口を開く。 「……最初にも言ったかもしれませんが、これってかなりゆっくりにとってつらいんじゃないんですか? 私には、この国の人も虐める国の人々と大差ないように見えます」 旅人の言葉に、女はむっとしたように眉をひそめた。 「あんな野蛮な国の人々と一緒にしないでください! 我々の国がこのようなことをするのは、ゆっくりのためを思ってのことです。 事実、この国のゆっくりたちはみな幸せです!向こうの国のゆっくりのような地獄のような仕打ちも一切なく、私達と楽しく暮らしているんです! 旅人さんだって見たでしょう?我が国のゆっくりたちの様子を」 「ああ、そうでしたね。すいませんでした」 興奮して次々にまくしたてる女をなだめようと、旅人はとりあえず謝罪を述べる。 旅人がここで見たあの目のうつろなゆっくりを見る限り幸せそうには思えなかったが、嘘も方便である。 「ああ、もうこんな時間ですか。申し訳ありませんが今日はもうお暇させていただきますね」 旅人は時計のほうに目を向けながら、ポリポリと頭をかく。 女はまだ言い足りなさそうだったが、ホストとしてはお客が帰るというのに無理に引きとめるわけにもいかない。 そして少し悩んだあと、女は話を始める前に部屋から追い出した、装飾過多のゆっくりれいむを旅人の前に持ってきた。 「旅人さんに、このゆっくりれいむを差し上げます。 このゆっくりれいむを旅人さんの目で何日もじっくりと見ればおのずと誤解も解けることでしょう」 女は抱えていたゆっくりれいむを旅人に手渡す。 いきなり飼い主を変更されたそのゆっくりれいむは、しかしほとんど動揺するそぶりを見せない。 それどころか、「あたらしいれいむのごしゅじんさま、これからよろしくね!!」と、完全に事態を受け入れていた。 その順応性の早さに感心しつつ、旅人は女のほうに向きなおる。 「はぁ、ありがとうございます。でもいいんですか?あなたの大切なゆっくりれいむでしょうに」 「いえ、いいのです。この国の誤解が解けるのなら、私ごときいくらでも犠牲となりましょう。 ですから、どうかそのれいむを大切にしてくださいね」 旅人はええ、とだけうなずいて、今度こそその部屋を後にした。 扉を閉めた時女の泣き声のような音を耳にしたが、旅人は立ち止まることなくさっさと歩き去ってしまった。 「では旅人さん、よい旅を」 「ええ、ありがとうございます。そちらも、お仕事がんばってくださいね」 翌日、旅人は愛でる国から出国した。 この国での収穫と言えるようなものは胸に抱える一匹のゆっくりだけだったが、旅人は満足げである。 「この飾り、いくら位するんだろう。見たところ結構高そうな気がするんですけど」 旅人はゆっくりにつけられた装飾品を、すべて取り去って鞄の中におさめた。 このゆっくりの飼い主であった女が金持ちであったのだろうか、ゆっくりにつけられていた飾りは、なかなかに豪華だった。 実は次の国では貴重な資源が使われたりしてて、しばらく贅沢するほどのお金が手に入れられるかもしれない。 妄想が膨らんでいって自然とにやける旅人の顔を、ゆっくりれいむはじっと見ていた。 「ん?なに?もしかしてこれ取られるの嫌だったの?」 かなりさみしくなったゆっくりれいむをみて、旅人はゆっくりれいむがそれ返せだのわめいてくるかと思ったが、 ゆっくり霊夢はあわてて顔を横に振る。 「そんなことないよ!!れいむはそのかざりうっとうしいっておもってたもん!! とってくれてありがとう!!」 「ああ、嫌だったのそれ……。確かに飼い犬に服着せるようなものなのかもしれないかな。 他にも、前飼われてた時にいやなこととかあった?」 「うん!!まえのごしゅじんさまは、れいむにいやなことばっかりしてきたんだよ!! おそとでるときにはひもでくくられるし、いえにかえればせまいところにとじこめられたよ!! すきなゆっくりができても、じゆうにあうこともできなかったよ!!れいむはいちどもしあわせにかんじたことなんてなかったよ!!」 「そう、かわいそうにね」 やはりというかなんというか、結局女はれいむを苦しめていただけのようだった。 旅人はそのゆっくりれいむに同情を感じざるを得なかった。 「ゆー、おにいさんはほかのにんげんとちがうかんじがするよ!!」 本気で自分をあわれがる旅人を見て、ゆっくりの中で小さな希望のようなものが生まれた。 今まで本能に従ってゆっくりしてきたのだが、それは少しも幸せじゃなかった。 ゆっくりするためにいろんな人間に奉仕してきたけれども、返ってくるのは自分勝手なエゴばかり。 でも、この人間は違う。自分が幸せでないことに理解を示し、同情してくれた。 これからは、自分の生活も一変するのではないか。幸せになれるのではないか。 温かな未来を想像し、久しく忘れていた、喜びという感情によって自然とゆっくりれいむのほほは緩み、 「じゃあ、いただきます」 「ゆ?] 旅人によって、食いちぎられてしまった。 [い、いだいぃぃぃぃぃぃ!!れいむのほっぺたがぁぁぁぁぁ!!」 「うーん、この前食べた虐める国のゆっくりと味が変わらないんだけど……。 あの国、結構えげつないね」 れいむは意味がわからなかった。ほっぺに走る激痛も、目の前で自分のほっぺをおいしそうに食べる人間も。 おかしい、なにかがおかしい。ありえない。 この人間は、私を助けてくれたんじゃなかったのか。幸せにしてくれる人じゃなかったのか。 先ほどまで目の前にあった未来が、急速に遠のいていく。 「どぼじで、どぼじでごんなごどずるのぉぉぉぉぉ!?」 「残念なことに、私にとってゆっくりは食料でしかないから。 ゆっくりなんて持っていてもかさばるだけだし、だからさっさとここで食べるだけ」 旅人は淡々とした口調で、そう告げた。 そしてもう一度大きく口をあけて、ゆっくりにかぶりついた。 「いだいよ……どぼじで、どぼじでぇぇぇぇぇぇ……」 「もぐもぐ。別に食べなくてもよかったんだけど、もったいないし。 それと、私はお兄さんでなくてお姉さん。確かに髪は短いし胸はぺったんだからわからなかったかな?」 「…………………」 体の半分以上持っていかれたゆっくりれいむは答えられない。結果的に旅人の言葉は独り言となる。 しかしそれを気にする様子もなく、旅人は黙々とれいむを食べ続け、やがて完食した。 「ごちそうさま、おいしかったよ」 自分が平らげた命に感謝をして、旅人は食事を終える。 そしてすっくと立ち上がると、次の国に向かって歩みを始めた。 歩きながら旅人は一度だけ今来た道を振り返り、 「どこに行ったって、ゆっくりたちは絶対にゆっくりできない運命なのかね」 その旅人の問いにこたえるかのように、どこかからゆっくりの悲鳴が響き渡った。 おしまい by味覚障害の人 今回の主人公は味覚障害でも何でもないんですが、まあ毎回そうするのもあれなんで。 このSSに感想を付ける
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「ふたば系ゆっくりいじめ 564 冬を越す為に/コメントログ」 すげえな、租借するのか。 -- 2010-06-08 21 51 41 れみりゃを食べることに抵抗がないというのが若干おかしい気もする -- 2010-07-09 02 15 52 三匹の子豚の原話だとさ、末の子豚が自分の兄貴二人を食らった狼をスープにしちゃってんだよね 通常の食物連鎖でれいむがれみりゃに捕食されるものだとしても、その逆が起きないってことは絶対に言えないし、 ましてや冬眠直前なんだから、食えるものなら何でも食っちゃうでしょ -- 2010-09-02 20 53 55 れみりゃを食べる描写は、それほど珍しくないと思うけど -- 2010-10-04 08 08 57 れみりゃは美味しいって解ってるんじゃないかな? 飢えたら共食いとかもするしねぇ -- 2010-10-16 20 15 34 れみりゃ食べたい 食欲的な意味で -- 2010-11-15 13 51 33 続きないの? これで終わりなら只のクソSSだけど -- 2011-02-15 14 40 40 良かったよ!でも続きはほしいな。 -- 2011-11-27 14 49 52 BADSS -- 2012-07-20 16 37 00 間違った善意って恐えーな 捕食種は殺すのも食べるのもタブーじゃないんだろうなこの世界じゃ -- 2012-10-01 13 58 52 草食動物が肉食動物を食うような感じだな -- 2013-08-24 16 44 24 ゆっくりは通常種も捕食種も「雑食性」だから不思議ではないな~ ただ、春になってもれいむに良いことは起きないのは確実やなww -- 2018-01-24 12 27 50
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日差しの強い夏のある日 俺は家で団扇を扇ぎながら冷やしたお茶を飲んでいた こんな暑い日は冷たいものを飲むに限る 「・・・ごくすずし・・・!」 「ゆ・・・りでき・・・ね!」 ふと外を見ると家の近くにある木の下にゆっくりがいた れいむ種とまりさ種の二匹、どうやら木陰に涼みにきたようだ 二匹とも木に寄りかかりゆっくりしている ゆっくりは夏の日差しに弱い、あまり長く日光を浴び出ると中の餡子の水分が蒸発して死んでしまう ゆえにゆっくりは夏はよく水を飲み、長時間日差しを浴びるような行動を避ける ちなみにこの時期は川で死ぬゆっくりが急増するらしい まあ、それは置いておいて、良いいじめの方法を思いついたので早速ゆっくりのところにいった 「やあ、ゆっくりしていってね!」 「「ゆっくりしていってね!」」 「おじさんなにかようなの?まりさたちはゆっくりしてるんだからじゃましないでね!」 「いやあね、今日は暑いからこの木の下でゆっくりしようと思ってね」 「ゆ!ここはれいむたちのひしょちだよ!にんげんはここでゆっくりしないでね!」 「ひどいなぁ、君たちに美味しいものあげるから、邪険にしないでおくれよ」 「ゆっ!おいしいものはやくちょうだい!」 袋に詰めた腐りかけのクズ野菜を切ったものをゆっくりたちに与える この時期のゆっくりは乾燥した食べ物よりも水分の多い食べ物を好んで食べる・・・らしい 二匹のゆっくりはそれに飛びつく 「「むーしゃ、むーしゃ」」 「「しあわせ~!!」」 なにがむーしゃむーしゃだなんで擬音っぽいものを喋りながら食べるんだよ意味ワカラン 今日みたいな暑い日はよけいにムカつく 「おじさんおいしかったよ!」 「もっとおいしいものちょうだい!これじゃぜんぜんたりないよ!」 「「そうしたらここでゆっくりさせてあげるよ!」」 「・・・じゃあおじさんのおうちにいこうか、そうすれば今の美味しいものが沢山食べられるよ」 常套句でゆっくりたちを誘い出す、9割は誘いに乗る 「おじさんはやくあんないしてね!!」 「れいむたちはたんきなんだよ!!はやくおじさんのおうちにつれていってね!!」 「はっはっはっ、じゃあいこうか」 「ゆっ!ここがおじさんのおうち?」 「そうだよ、ここがおじさんのおうちだよ」 「じゃあ、はやくおいしいものもってきてね!あつかったからゆっくりしたいよ!」 「ちょっとまってね、二匹ともこの箱の中に入ってくれるかい?」 そういって差し出したのはご存知透明箱×2 「ゆっ!?なんでこのなかにはいらなくちゃいけないの!?」 「おじさん!まりさたちをゆっくりできなくするつもりなんでしょ!!」 「おお、鋭いね、でもいまさら気づいても遅いんだよね、これが」 二匹を掴み箱に押し込む すばやくロック! 「ゆっ!おじさんひどいよ!ここからだしてね!」 「だせーっ!ここからゆっくりだせーっ!」 「我慢してね、いまからすっごくゆっくりさせてあげるよ」 外に出て砂利が敷き詰めてある庭の真ん中にゆっくりを詰めた箱を置く 日光を遮るものは何一つ存在しない 「じゃあ、二匹ともここで思う存分ゆっくりしてね!」 「あ、あづいよ!おひさまのあたらないところにもっでいっでね!!」 「ひざしがつよいよ!!こんなどこじゃゆっぐりでぎないーっ!!」 「そうかなぁ、おじさんはとってもゆっくりしてるよ!」 「「あづいよ”-!!!」」 「じゃあおじさんはおうちの中でゆっくりしてるからね!遠慮しないで暖かいお日様に当たりながらゆっくりしていってね!」 「お、おじざんまっでー!!」 「だじでぇぇぇ!!!」 太陽は今、丁度頭上に来ている じりじりと照りつける日光にいつまで耐えられるかねぇ 「「あぢゅいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!」」 「まりざぁぁ!!だずげでえええ!!ごのままじゃしんじゃうぅぅ!!!」 「れいむ”ぅぅ!!だべだよ!!ごのはごあがないよ!!!」 「ああああ!!ひがらびちゃうよぉぉぉ!!おがあざーん!!だずげでよー!!」 「だれかだずげでええ!!!まりざだぢをだずげでええぇぇ!!」 いい声で鳴くなぁ、胸がスッとする 最高の清涼剤だ 俺は横になって悲鳴を聞きながら昼寝を始めた 幻想郷の夕日はとても綺麗だ 空はどこまでも赤く染まっている そういえば、ゆっくりたちの悲鳴が聞こえなくなったな まさかもう死んだか? 「お”、お”びず・・・」 「ゆ”っぐりじだい・・・」 おお、まだ生きてた 「お、おじざん”・・・おねがいじまず!おびずぐだざい”!」 「ゆっぐり・・・おびず・・・ゆっぐり・・・でぎない”・・・」 随分干乾びてる このまま死なれてもつまらんので箱の中にたらいでもってきた水を入れてやると、勢いよく飲み始める 「・・・!う”め”!おびずめっち”ゃ”うめ!!」 「おびず・・・!おびぃずぅぅ!!」 「ゆっくり飲んでね!」 「ゆっくりいぎがえるよ”ーっ!」 「すっぎりぃぃー!」 そのまま水の流し込み続ける 飲みきれないので箱の中に水が溜まる 「・・・!おじざんみずおおすぎるよ”!もうじゅうぶんだよ!」 「ゆっく”りやべでえええ!!みずのみぎれない”ぃぃ!!」 「早く箱の中の水を飲みきらないと、ふやけて死んじゃうよ?ゆっくり早く飲みきってね!」 再び窮地に陥る二匹 先ほどはほしくて仕方が無かった水が今度は自分たちの脅威となっている 「「んぐ!んぐ!」」 ひたすら水を飲むゆっくり 自分たちの体積以上の水を飲み干した 毎度思うが、いったいどうなってるんだこいつら・・・ 「おじざん!もうまりざだぢはおうぢにがえるよ!」 「はやぐここからだじでね!ゆっくりがえるよ!」 「駄目だよ!二人には死ぬまでおじさんのおうちでゆっくりしていってもらうからね!」 「「ぞんな”あああ!!」」 「だ、だじでぐれないなら!せめてたべものちょうだいね!れいむたちおひるからなにもたべてないんだよ!」 「そういえばそうだよ”!おじざんおいしいたべものをちょうだいね!」 「残念だけどおじさんのおうちには君たちにあげる食べ物は何も無いよ!」 「ゆ”っ!じゃあどうずればいいの”!」 「そこでゆっくり餓死してね!」 「なんでえぇぇ!!ゆっぐり”じにだぐないよおぉぉ!!」 「おじざん!れいむだぢあやまるからゆるじでよ!!」 「謝るって言われてもなあ、二人は何も悪いことしてないでしょ?」 「そうだよ!まりさだぢなにもわるいごどじでないのに”ひどいこどずる”おじざんはゆっぐりじね!」 「おじざんどうじだらだじでぐれるのおおおお!!」 「死んだら外に出してあげるよ」 「「う”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」」 二匹のゆっくりはその後も庭の真ん中に置かれっぱなしだ 「あぢゅいよおおおお!!!」 「だれがだずげでええええ!!!」 よりによって連日快晴が続いた 日が落ちるとおじさんがやってきて大量の水を与えられる 「ごんなにおびずい”らな”いよ!がぼがぼ・・・」 「ごんなにのべないぃぃぃ・・・んぐんぐ・・・」 しかし食事は一切与えられなかったため二匹は日に日に衰弱していった 地獄は五日目で終わった ゆっくりまりさはカンカンと照る日差しに耐えられず干からびて死んだ ゆっくりれいむは生きていたが目は虚ろでまりさの死に気づいていないようだった その後に与えられた水を飲みきれずふやけて死んだ ゆっくりさせられた結果がこれだよ! このSSに感想を付ける
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「ふたば系ゆっくりいじめ 939 もらうぞ/コメントログ」 あみゃぎりはあみゃぎりだよ!ゆっきゅりりきゃいちちぇにぇ!…ゆっぴいいいいいい!れいみゅのちゅぶりゃにゃおみぇみぇぎゃあああああああああああ!!! -- 2010-08-07 00 09 56 じゃあてんこはウチで引き取りますね -- 2010-08-30 22 55 04 うーん、命とっちゃうのか。 髪とお帽子半分にして、周囲からの迫害によってゆん生も半分以下になるかと思ったんだが、ちょっと残念w お兄さんのおうち宣言が広まったら、他のゆっくりが来たりしな…いやゲスは関係なく来るかw -- 2010-11-27 17 32 15 おうち宣言wwこんど友達の家でやってみようすごく悲惨な目に会うのは、火を見るより明らだかが -- 2010-12-13 02 29 55 シンプル・ザ・ベスト 天子はゆっくりでもどMなのか -- 2012-07-25 20 41 29 まじでださいおぼうし、じゃないのか -- 2012-08-26 21 19 48 まだお多いな… -- 2014-01-25 00 45 33 マスオさん (まりさのすてきなおぼうしさん) -- 2015-10-10 02 33 14 ↓4ドMなのは二次設定 -- 2016-02-24 00 01 14 「一人占め」をぜんぶ「一人いじめ」にしてる謎の文法が気になる -- 2021-11-27 14 30 51
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あんらっき~を乗り越えて 23KB 虐待-普通 観察 自業自得 仲違い 駆除 ツガイ 現代 うんしー jiltukuri 『雪』 それは個人が持つ価値観によって扱いが全く異なる代物。 山に降ればスキー場経営者が喜び、街に積もれば邪魔者扱い。 所有する土地の積雪に対する反応は、年齢を重ねれば重ねるほど拒絶を示す傾向にある。 何故ならば、雪かきという半強制的な苦行が待ち構えているからだ。 これが、中々の重労働。 だが、やらない訳にはいかない。 この雪の量では自動車を道路に出す事もままならないからだ。 「……めんどくさい」 俺はスコップを片手に持ちながら呟く。 目の前には真っ白な銀世界が広がっている。 昨夜、急激な寒波が訪れて、予報もされていない想定外な豪雪注意法が発令された。 だからと言って対策など何も出来るはずも無く、家の中であまり振らないように祈るしか方法は残されていない。 寝る前に祈りを捧げた効果を確かめる為に、俺は軽く純白に輝く雪にスコップを差し込んだ。 積雪量自体は、それ程多くない部類に入る。 だが、スコップの先に感じる氷の感覚が、これから行う雪かきの厄介さを予見しているようだ。 「重っ!?」 俺は雪をひとすくい持ち上げる。 予感的中。 新雪の下には氷の層が出来ていた。 前日の暖かい気温でほどよく溶けていた名残雪。 それが、深夜に訪れた氷点下によって再氷結した為に出来たやっかいな代物。 その厄介者は、ガラスの腰が軽く砕けそうな重量感をこれでもかと主張してくる。 「あーあ、めんどくさい……」 嫌々ながらもスコップを動かす。 この駐車場に積もる雪を排除しなければ車も出せない。 自然が及ぼす変化に文句を言った所で何も状況に変化は訪れる事は無いだろう。 でも、愚痴は自然と口から毀れる物なので、これもやむを得まい事情があるのだ。 「……」 「ゆ?」 「ゆゆ?」 ザラザラザラ。 自動車に被っている雪を地面へと落とす。 「……」 「ここはゆきさんがないよ?」 「とってもゆっくりできそうだよ!」 ザッコザッコザッコ……。 重い重い雪の塊を投げ捨てる。 「……」 「ゆ~ん! とてもきにいったよ!!」 「ゆっくりできそうだね!?」 ペンペンペン。 雪を一箇所に集めて小山を作る。 「……」 『『 ここをゆっくりぷれいすにするよっ!! 』』 ガサガサガサ。 ゆっくり達は、ダンボールを手早く広げてお家を作り上げた後、宣言を完了した。 「うるっせぇええええええええええええっ゛!?」 『『 ゆぅううううううううううううっ゛!? 』』 お兄さんの振り降ろしたスコップの先が、駐車場に無断進入していたまりさの体の端を掠める。 そのままスコップの勢いは衰える事はなく、闖入者の設置してあったダンボールを貫通した。 「あああああああああっ゛!? いのちがけでかちとった、まじざのだんぼーるさんがああああああっ゛!!」 「れいむだぢが、ゆっぐぢふゆごもりするだめの、ゆいいつのきりふだがあああああああああっ゛!?」 まりさ×れいむのお馴染みコンビ。 理想的なプレイスを求めて移動していた野良家族。 やっと辿り付いたかと思いきや、一瞬で大事なダンボールが半壊状態。 泣く理由に十分値する苦難のゆん生と言う茨道を歩いてきたまりさ達。 「どぼじでごんなごどずるのぉおおおおおおおおおっ゛!? べんじょうじろおおおおおおっ゛!! おばがぁあああああああああっ゛!?」 「れいぶのおいじいきのみざんだぢが、ばらっばらになっでるぅうううっ゛!?」 だが、そんな悲惨な目にあってきたまりさ達のゆん命など、お兄さんには関係ないことだった。 駐車場に進入してきて住居を設置した愚か者。 それも、苦労して除雪した部分に我がもの顔で居座ろうとしたのだ。 お兄さんが怒り狂うのも無理はない。 「ごごに、おおあながあいでるううううううっ゛!? せなかがすーすーずるよぉおおおっ゛!! ざむいいいいいいいいいっ゛!?」 「いやああああああっ゛!? ゆっぐぢできないいいいいいっ゛!!」 当然、ゆっくり達もお兄さんの気持ちを推し量る事はなかった。 今後について考えるべき重要な問題点は、ゆっくりプレイスが崩壊寸前に追い詰められた事、唯その一点のみ。 まりさ達の現状は最悪の一言。 持ち込んだ食料も粉々にされて泥と混じり合っている。 今夜を過ごす事さえも不可能に近い緊急事態に追い込まれていた。 「まじざだじのゆっぐりぶれいずに、なんでごどずるのおおおおおおっ゛!?」 「ゆっぐりせずにべんしょうしてねっ!?」 まりさ達は、大声をあげながらお兄さんに迫る。 別に不可解な行動ではない。 プレイス宣言をした後の場所は、何処であろうと自分達のテリトリーだと盲信している。 それは、野良や飼いゆに限定されるべき事項ではなく、ゆっくり達の本能に近い考えとも言える。 つまり、このまりさ達も自分達のゆっくりプレイスに無断進入してきた敵に吼えているのだ。 目の前に立つ人間へ、抗議行動としての考えを揺るがせる事無く、大声で捲くし立てる。 「何で弁償しなければいけないんだよ?」 「まじざのだんぼーるざんごわじだでじょおおおっ゛!? なんで、そんなごどもわがらないのおおおっ゛!!」 「まりさっ!! このにんげんさんは、あたまがかわいそうなんだよっ!?」 互いに侵入者として見据えた対立。 そこには、引くという事を知らない罵り合いが繰り広げられる。 絶対的有利を確信しているゆっくり達は、相手との力量差を計る基本的行動は二の次だ。 まずは、言葉で圧倒する行為を実行する。 「ゆ! そうなの!? それじゃあ、わかりやすくいうよっ!! ゆっくりとりかいしてねっ!? にんげんさんは、だんぼーるさんをこわしたでしょ? ごはんさんもどろどろにしたせきにんをとってね!?」 「ゆゆーっ! とってもわかりやすいよっ!! さすが、まりさだねっ!! ほれなおしちゃうよっ!!」 れいむがまりさを褒め称える。 まりさは頬をピンク色に染めて目尻を下げながら、嬉しそうに体を左右に揺らす。 その二つの塊を見下ろすお兄さんの眼差しは、冬の寒風よりも冷ややかだった。 「ゆんゆ~ん!! あたらしいだんぼーるさんがてにはいるよーっ!!」 「あまあまもってきてね!? たくさんでいいよっ!!」 そんな凍てつく視線に物怖じすることなく要求し続ける、空気の読めない哀れなまりさ達。 いや、逆に空気を読んでいるのかもしれない。 『この家無き子になった不幸を、幸運に変えるチャンスなのかもしれない』 そう頭の中に打算的な思考が一杯に詰まっているとも考えられる。 自分が有利な状況を信じて疑わないまりさ達。 そんな狭い視野で見据えた未来は、当然不幸の入り口しか開かれていない。 空気を読む技量を得る前に、このまりさ達には大事な物が欠けていた。 「いつまでまたせるきなのっ!? まりさおこるよっ!!」 「れいむはおこってるんだよっ!! ぷくーっ!!」 短気なれいむは丸い体に大気を詰め込み、頬の部分が通常の二倍以上に膨れ上がる。 例えて言うなら、食べ物を詰め込んだリスの頬に似ていた。、 しかし、れいむの全身が僅かに膨らんでいる為、風船のような形に近い状態とも言える。 その威嚇の行動は相手を怯ませる効果は皆無。 行為としては、ゆっくり達が思うような成果は望めず、人間達を正反対の行動に走らせる結果となる。 「ゆんやああああああっ゛!! いだいよおおおおおっ゛!!」 膨れたれいむの頬を裂くように、スコップを横に凪いだお兄さん。 風船のように盛り上がっていた肌の部分を容赦なく切り裂き、圧迫されていた勢い良く餡子が流出し始める。 流れ出した黒い餡の水分は多め。 雪の道を歩いて、身体に吸収したのが原因なのだろうか? お汁粉のような緩さをした餡が、半崩壊したダンボールの上に小さな染みを広げていく。 「まじざのはにーがあああっ゛!? どぼじでごんなごどずるのおおおおおおっ゛!!」 「だずげでえええっ゛!! まじざああああああああっ゛!?」 お兄さんから見て、左にまりさ、右にれいむがダンボール内に身体を収めていた。 最初の一撃でまりさの左部分のダンボールを破壊し、二度目の攻撃ではれいむの右側を切り裂いた。 結果、既に水分が浸透してふやけていた小さめのダンボールは、 天井部分を支える機能を失い、地面に向けて垂れ下がった状態になった。 それがまりさ達へと、プレイス崩壊寸前の危機感を悪戯に植え付ける。 「うわああああああっ゛!? まじざのゆっぐりぶれいずがああああああっ゛!!」 「まじざあああっ゛!! べーろべーろじでよおおおっ゛!? ごのままじゃ、あんござんがながれて、れいぶがじんじゃうでじょおおおおおおっ゛!!」 新しいダンボールを要求していたまりさが、古いダンボール崩壊を見ながら泣き叫んでいる。 かなり滑稽な状況に感じるだろうが、この旧プレイスには思い出というものがあるので仕方がない事だった。 このダンボールは勝者の証だったのだ。 雪が降り積もる前の争奪戦で勝ち取った奇跡の素材。 引越しの行く先々で、好奇や嫉妬の視線をその身に受けて優越感に浸っていたまりさ。 それが、目の前で崩れ落ちていく。 まりさは生きてきた全てを失うような悲しみに襲われていた。 当然、深い悲しみで涙を流し続けるまりさに、他の状況へと意思を向ける余裕は無い まりさの隣で騒ぐれいむも、今まさに危機的状況に陥っていた。 頬からの餡子の流出が止まらないのだ。 一刻も早く、ゆっくりの唾液などで傷を塞がなければ、今後の生命活動に暗い影を落としかねない。 れいむは頬を流れる命の源に恐怖を感じていた。 「ゆわああああああっ゛!? かわいいれいぶをだずげでええええええっ゛!!」 その胸の奥から絶え間なく湧き上がってくる絶望に近い感覚は、涙腺を難なく崩壊させる。 顔を左右に振りながら、周囲に透明な雫を振りまくれいむ。 その深い絶望は、れいむのある部分の元栓を決壊させた、 「ゆううううううっ゛!! ゆああああああっ゛!! じんじゃうよおおおっ゛!!」 れいむの下腹部から大量のしーしーが漏れ出す。 漏らしている自覚は全く無い。 右頬の大怪我に一杯一杯のれいむは、身体の調整を維持できない程の錯乱状態になりつつある。 泣き叫ぶまりさとれいむ。 それぞれの悲しみの根源は全く違うものだが、悲痛な感情はどちらも負けてはいない。 「ゆっくりなおってね!! だんぼーるさんゆっくりしていってね!? ゆうううっ゛!! どぼじでなおらだい……? つっツッ!?」 舌を懸命に伸ばし、ダンボールの崩壊を食い止めているまりさ。 足元に水分が流れてくる感触を受けて、その不意打ち気味の衝撃に身体を大きく振動させる。 視線は、小川が流れてくる上流へと自然に向けられる。 そこで見たものは、大事なダンボールの床の部分に豪快なしーしーを染み込ませているれいむの姿。 まりさは悲しみから怒りに変えた後、れいむの丸い体へと突進していく。 「だんぼおぉるざんに、ゆっくりできないことをした、れいぶはじねぇえええっ゛!?」 「ゆぶうううっ゛!? ああぁああっ゛!! ゆがばがああああああっ゛!?」 寄り添うような幅で、仲睦まじく並んでいたまりさ達は、互いに大きく距離を取り始める。 まりさは大事な宝物を汚したれいむに対して、制裁行動の体当たりを行った。 れいむは予想していなかった打撃に抵抗することも出来ず、慣性に身を任せて転がっていく。 ようやく回転が止まった時のれいむの姿は、全身泥だらけの醜い風貌となっていた。 右頬の怪我は悪化の一途を辿り、大量の黒い餡子が駐車場へと流れていく。 れいむの足元は雪解け水でうっすらと水溜りが張っている。 あんよは、先程漏らしたしーしーの影響もあり、既に使い物にならないほど緩んでいた。 無理矢理移動を試みれば、地面に足の部分を残して、胴体とは離れ離れになってしまうだろう。 「どぼじでれいぶをつきとばずのおおおおおおっ゛!? うがあああっ゛!! がわいいれいぶをうらぎっだまじざはじねえええっ゛!!」 口だけは流暢に文句を言い放つれいむ。 しかし、れいむは恐怖で動ける状態ではなかった。 愛するまりさからの体当たり。 それは、確実に殺す為に繰り出された、躊躇など全く感じられない慈悲無き一撃。 れいむは絶望を感じ取っていた。 「れいぶがぴんちだよっ!? このままじゃゆっくりしちゃうよっ!! ゆっくりゆるしてあげるから、たすげでねっ!?」 それでも慈悲を求めずにはいられない。 助けてくれた後は仲直り、これだけ可愛い自分だからきっと捨てるのは惜しいはず。 何も心配はいらないのだと、湧き上がる絶望を押し込める様に、まりさへと救いを求めたれいむ。 「ゆっくりしんでねっ!! れいむはゆっくりできないゆっくりだよっ!!」 れいむのそんな甘い考えは、相方の拒絶と死の宣告で切り捨てられる。 ゆっくり達が、"ゆっくり出来ない固体" と、認識した相手に関してはとても厳しい態度をとる。 それが家族だろうと何だろうと関係ない。 制裁と言うオブラートに包んだ暴力行為で排除行動を行う。 潰した後は見下すのみ。 そこに救済は存在しない。 「ゆうううっ゛!? にんげんざん!! あのげすまじざを……?」 不利と悟ったれいむは人間に助けを求める。 先程、自分勝手に要求をしていた相手に援護を頼む。 愚かなどとは言ってはいけない。 何故ならば、れいむの餡子脳の中にある順位では、遥か下方の部分にあのお兄さんがいるからだ。 そのピラミット型にある優先表の、底辺カースト部分に位置付けられたお兄さん。 お兄さんはれいむ達とは離れた場所で、もくもくと雪かきの作業を進めていた。 「……」 「そんなところにいたのっ!? でも、ゆっくりゆるすよっ!! まじざをせいさいしてねっ!! ゆっ!? そのまえにれいむをたすけてねっ!!」 サクサクサクサク。 大きな雪の塊を横に放り投げるお兄さん。 「はーっ……腰いて」 「どぼじでむじずるのおおおっ゛!!」 「ゆぷぷぷぷ!! にんげんさんはまりさのみかたなんだよっ!!」 完全に無視されたれいむ。 まりさは口を窄めながら、勝ち誇った笑みと言葉を漏らす。 しかし、先程までまりさは、人間に助けを求めたれいむに脅威を感じたみたいだった。 顔面蒼白(のような状態)で震えていたのだ。 人間がれいむの味方をしたらどうしようと、解りやすいほどに焦燥しきっていた。 「ゆふふふふふふっ!!」 それが杞憂となったまりさは喜んだ。 目の前に転がるのは、汚くてゆっくり出来ないれいむ。 勝利は掴んだも同然の様に高笑いを始めた。 「いやあああっ゛!? れいぶの…れいぶのすでぎなあんよざんがあああっ゛!! ゆぎいいいっ゛!? ほっべざんのあんござん、ゆっぐぢどまっでねえええっ゛!! びぃやばあああっ゛!? れいぶじにだぐない……じにだくないよおおおおおおっ゛!!」 れいむは死期を目前にして、最後の抵抗を行う。 訪れる未来は何も変わらないと言う、その無駄な努力に満ちた悪あがきと呼べる行為を。 前後左右に身体を動かす事によって餡子が漏れ出すスピードが早まり、 中身と皮膚が外部に崩れ落ちる結果を齎し、死が予定の時刻より短くなっていく異常事態に気づかない。 全身の痛みは増すばかり。 泣きながら大口を開け悲鳴をあげていた最初の頃とは比べ物にならない激痛が走っている。 現在は硬く歯を食いしばり、瞼はこれ以上広がらない開放を行っていた。 「ゆぎぎぎぎぎぎぎぎぎっ゛!? ああああああああああああああっ゛!!」 眼球を外部に晒し、周囲に走る血管に似た赤い線を無数に張り巡らせ、真っ赤に染まっていくその瞳。 黒目の部分は、焦点を合わす行動を放棄したように、細かく振動していた。 「……ゆげぇえっ……えれえれえれえれっ もっど…ゆっぐぢ……じだ…げぼぉおっ」 れいむは、口から大量の餡子を吐き出す。 激痛などの過度なストレスを受けた体が悲鳴をあげた結果だった。 そして、同時に生きる事を放棄した選択でもある。 れいむの死期は、まだまだ先にあったのだ。 この苦しみのピークを迎えるのは数分後。 そこまで生きる事を望まず、れいむは激痛が支配する頭の中で、無意識の内に死を望んだ。 ゆっくりしたかったハズなのに、ゆっくり出来るか解らない死を求める。 でも、この痛覚で埋め尽くされた現状から逃れる為には、唯一残された他に選びようがない選択肢。 そんな矛盾を込めた言葉を死の間際に放ったれいむの心境は、 死ぬ直前まで、後悔だけを残したゆっくり出来ない悔しさで一杯だっただろう。 駐車場に、生気を感じないれいむの身体から、緩い餡子が広がっていく。 ここでれいむのゆん生は幕を下ろす。 そのゆん生は、お世辞にも幸福だったとは言えないものだった。 まりさは、崩れかかったダンボールの内部から、苦しみに顔を歪めるれいむを見ていた。 助けを求めるれいむを見下すかのような冷たい視線と、嘲笑うかのような笑みを浮かべながら。 このまりさは、れいむに対して制裁を行ったと信じて疑わない。 その信念には理由がある。 同属殺しを回避するための、かなりグレーな方法。 それが、制裁。 主に奇形種、下種、レイパーや赤ゆなどの同属殺しに使われる行動をまとめて制裁と言う。 時には、このまりさのように、大切な物を汚されたという理由だけで実行されるケースも少なからずあった。 群れをしていた時のなごりとも言われているその習性。 同属を潰した死臭を誤魔化す為に使われた嘘が発端とも言われている。 だが、その真相はわからない。 物証が何も残されていないからだ。 とりあえず、制裁の言葉が餡子に染み付いているから使っているのは確か。 長年の生活と進化で身に付けた、忌むべき風習。 だが、これもゆっくりとしたゆん生を送るべき知恵のひとつなのだろう。 ゆっくりの生態や行動は、未だ謎の部分が多い。 完全に動かなくなったれいむを踏み潰したい感情に襲われていたまりさは、 身体をムズムズと震わせながら、飛び出さんとする行動を賢明に抑えていた。 今、ダンボールの外へと出て行けば、れいむの二の舞になると考えたのだろう。 先程のしーしーを吸い込んだ足の部分も、しっとりと濡れていたのでは尚更だ。 「じまんのあんよさんをゆっくりふいてねっ!! やさしくだよ? らんぼうにしちゃだめだよ! ゆんゆ~ん! ゆっくりきれいにしてねっ!!」 まりさは迷わず人間へと助ける求める行動に出た。 れいむより自分を選んだと言う自信がそうさせたのだろう。 幾分、上から目線で命令に近い言葉を発するまりさ。 「……」 「ゆ?」 まりさは濡れた足の部分を、気持ち上へと浮かせて待っていたが、お兄さんからは返答も行動も無し。 お兄さんは振り向きもせずに雪を平らにならしていた。 「ゆ? おみみがきこえないの? まりさのあんよさんをふいてねっ!!」 聞こえなかったのかと思いながら、再度大声を張り上げるまりさ。 それでも、お兄さんはまりさの方を見ようともしなかった。 まりさの疑問と不安は苛立ちへと変わっていった。 制裁によりれいむを排除した際の優越感は無くなり、人間への怒りが色濃くなっていく。 自分の状態を自覚すればする程、不遇の箇所が餡子脳へと的確に伝わってくる。 まりさの下腹部に広がっている染みは、背中にも侵食し始めた。 それに、これは、しーしーなのだ。 まりさはその事を考えた時、唐突にゆっくり出来ない感覚に包まれる。 怒りと高揚感は一瞬で消え去り、直後に強烈な嫌悪感に襲われた。 大きく口を広げ、だらしなく舌を外部へと垂れだしながら、喉の奥にあたる部分から声無き声を発し始める。 全身から感じるしーしーの匂い。 まるで自分が汚物の塊に変化してしまったかのような悪臭。 「うわあああっ゛!? しーしーさんはゆっくりできないいいいいいっ゛!! ぐざあああああああああいっ゛!! まりさけがされちゃったよおおおっ゛!?」 まりさは考えてしまった。 理解してしまったのだ。 しーしーは臭いと。 余りにもゆっくりしすぎている感覚だと思う。 だが、れいむに制裁を加えているまりさは満ち足りていた。 とてもゆっくりしていたのだ。 その対象が居なくなった時、初めて違う事例へと目を向けたまりさ。 自らに及ぼす不幸をしっかりと理解した。 「ゆぎいいいっ゛!? どぼじでええええええっ゛!! まじざはどっでもゆっぐぢできるゆっくりばのにいいいいいいっ゛!!」 まりさの体はれいむと同じくグズグズの状態だった。 れいむが内部に漏らしたしーしーだけで濡れた訳では無い。 ダンボールの上に釣り下がった氷柱から水滴が落ちていたのも原因の一つ。 その氷柱は屋根にぶら下がり、暖かくなった気温で少しずつ溶け出していた。 水の粒が滴り落ちる場所は、まりさ達のゆっくりプレイスの丁度真上の部分。 崩壊した屋根からダンボールの内部に入り、まりさの背中を濡らしていた。 数滴の落下まで時間の差が大きかった先程に比べ、今は断続的に降り続いている状態になっている。 半分仰向けになっていたまりさの背中が水浸しになっていく。 もう起き上がれない。 背中に全く力が入らないのだ。 無理に動けば裂けると考えたまりさは、動くことすら出来きずに身体を硬直させた。 「あっあああっ゛!? づめだいよおおおおおおっ゛! ゆっぐぢいいいいいいっ゛!! ゆっぐぢざぜでよおおおおおおっ゛!?」 ガタガタ震えながら泣き叫ぶまりさ。 ダンボールの屋根部分は、既にその役割を果たさず、直にまりさの顔面へと水滴が落ちる。 冷たく凍えるような水の玉を、氷柱から流れ落ちる瞬間から、自分へと落下するまでの動きを強制的に見せられたまりさ。 水を極端に恐れるゆっくり達にとって、拷問のような時間が続いていく、 「やだああああああっ゛!? あめざんごないでねっ!! あっちにいっでねっ!! どぼじでまじざにおぢでぐるのおおおおおおっ゛!? こんなに、おでがいじでるのにぃいいいいいいいいいいいいっ゛!!」 冷え切った水分がまりさを濡らし、身体を少しずつ削り取っていく。 小さなガラス玉がまりさに降り注いでいるかのようなその光景。 肌色の表面で球体が弾けて皮膚の表層を容赦なく抉り取っていき、まりさの全身が虫食い状態に黒ずんでいった。 豆粒位の穴の大きさは、落水が強まるにつれて徐々に広がりながら、内部に向かって深く深く掘り下げていく。 まりさの顔面付近は、自身の餡子で滲んだ黒い水の穴溜まりを無数に作り、水滴が跳ね上がる度にダンボールの側面を汚していった。 部屋中真っ黒に染まっていく現状と、弄られているような激痛にストレスを感じていくまりさ。 身体の奥から何かが込み上げてくる感覚に腹を捩る。 その時、まりさは視線の先で希望を見た。 「ゆっ゛!? ゆぐぶっ!! ゆぶううっ!!」 声にならない呻き声をあげながら、小さな希望に期待するまりさ。 吐き出そうとした餡子を強制的に身体の奥へと押し込んだ。 目線の先にあるのは、お水が絶え間なく落ちてきて、ゆっくり出来ない氷柱が揺れ動く姿だった。 その動きは微小で、じっと見ていたまりさで無ければ気づかなかっただろう。 まりさは、これで冷たい雨は降らないと希望を得たのかもしれない。 その様な儚く、哀れな期待を持ってしまったまりさは、生への執着を強めてしまった、 しっかりと見据えたまりさの目に映ったのは、お兄さんの自宅の屋根から滑り落ちてきた雪の塊。 氷柱部分と一緒に高い空から放たれた、まりさの命を狩り取る死神の姿。 「いやぁあああああああああああああああああああああっ゛!?」 最後の言葉となる咆哮を周囲に響かせたまりさ。 大きく開けた口の内部に、硬い氷の部分と柔らかい新雪が文字通り飛び込んだ。 綺麗に生え揃っていた白い歯を容赦なく砕いて喉の部分へと進入する異物。 その総量に耐えられなくなった頬の部分が横に裂けて、まだ蹂躙し足りないかのように塊は更に奥へと潜り込む。 全身を奪われていく感覚。 自分の中身を犯されているような苦痛。 叫びたくても声が出せない役立たずとなった自分の口。 ゆっくり出来ない軋む音が全身から響いてくる。 まりさの体は雪で覆われていたので、れいむのように餡子を吐いて終焉を迎えることも出来ない。 滲み出していく餡子が雪を黒く染めていく。 屋根から落ちてきた雪の氷結部分が、もう少しまりさを巧く砕いてくれたならば、即死の道を辿れたのかもしれない、 何処までも運に見放されたまりさの体は、徐々に体温を下げながら遺体なる運命を歩んでいく。 そして、埋もれた体を一際大きく跳ね上げたのを最後に、まりさは雪の中で死んだ。 まりさの宝物であり、誇りとも言えたダンボールのゆっくりプレイスは、泥と餡子に塗れて風格など何処にも無かった。 誰が見ても立派なゴミと認識されるだろうが、間違っても宝物だと言う人はいないだろう。 「……やっと雪かき終わった。よしっ! お前ら遊んでやるぜ……?」 お兄さんはスコップ片手に、意気揚揚と現場に足を踏み入れる。 そこで見たものは、駐車場にれいむが潰れて平たくなっている姿と、 同じく駐車場に存在していた、汚いダンボールと黒く滲んだ雪の小山。 「え…え? おいいいいいいっ!! 何勝手に全滅してんだよおおおっ゛!? うわああああああっ! ゆっくりできないいいいいいいいいいいいっ゛!?」 全てを理解したお兄さんは頭を抱えて取り乱す。 辛い雪かきで溜まったストレスを発散させようかと意気込んでみれば、ゆっくり達の姿は既に無く、 目の前に飛び込んできた状況を察すると、残されたの仕事が増えただけという最低な現実。 お兄さんはヒャッハーする事が出来ずに益々ストレスを抱え込む羽目になってしまった。 肩を落としながら自宅へと戻ったお兄さんは、 この悲劇を繰り返さない為に、悔し涙を流しながら今年の抱負を書初めに記す。 " 美味しいものは先に食べる " お兄さんは、その会心の出来具合に多少溜飲が下がったのか、微かな微笑みを見せる。 文字を見ながら何度も頷いた後、自室へと飾るため動き出したその時、外の駐車場から声が聞こえた。 「ゆゆゆ? ここはゆきさんがないよっ! とってもゆっくりできそうだよっ!!」 「そうだねっ!! ここにおうちをつくろうねっ!!」 がさがさと何かを広げる音と、ゆゆゆの声。 『『 ここをゆっくりぷれいすにするよっ!! 』』 プレイス宣言を聞いたお兄さんは直ぐに自宅を飛び出していった。 お兄さんは進入者に対して抗議を行うこともせず、大きな氷柱を手でへし折った後、その目の前にある丸い塊に尖った先端を向ける。 体を膨らまして威嚇をする二体のゆっくり。 お兄さんは、全ての鬱憤を晴らすかのように、地面にいる一体目掛けて氷の槍を投下した。 強気だったゆっくりが弾けて、周囲に中身が醜く広がる。 先程とは一転して叫び声と謝罪を撒き散らす、生き残ったもう一体のゆっくり。 それを聞いたお兄さんは、死んだゆっくりから甘くなった氷柱を引き抜きながら、満足そうに微笑んだ。 抱負を有限実行する為に残りの侵入者も美味しく頂きます。 甘くなった数本の氷柱を、生き残ったゆっくりの口に含ませて見ると、早速でました。 「あまあまをもっとちょうだいね!?」 その満面の笑みに、お兄さんが振り上げたスコップの背が、勢い良くぶち当たる。 綺麗な金属音が辺りに響き、衝撃がゆっくりの歯を細かく砕いて眼球を潰す。 咳き込みながら地面へとだらしなく体を広げるゆっくり。 虫の息で口から餡子を吐きながら、濁った遺言をぶつぶつとを呟く。 「…えれえれえれ…もっぢょ……ゆっぐぢじだがっ……だ…」 「いやっほおおおっ! すっきりいいいいいいっ!! 新年明けましておめでとおおおっ!!」 お兄さんの歓喜の声でゆ虐新年の幕が上がる。 周辺の民家からも同じような魂の叫びが昼間の空に吸い込まれていく。 今年は良い年になりそうだ。 ・ちょっぴり不幸なまりさとれいむとお兄さんのお話 内容はよくある自滅っぽいものでした 過去作 ふたば系ゆっくりいじめ 665 基本種 れいむの受難 ふたば系ゆっくりいじめ 638 ばうんてぃはんたー ふたば系ゆっくりいじめ 612 かってにはえてくる ふたば系ゆっくりいじめ 593 迷作劇場 ふたば系ゆっくりいじめ 572 ぎゃんぶらー ふたば系ゆっくりいじめ 507 火の用心 ふたば系ゆっくりいじめ 500 駄目だよ? ふたば系ゆっくりいじめ 458 ドゲスー ふたば系ゆっくりいじめ 449 希少種の価値 2 ふたば系ゆっくりいじめ 448 希少種の価値 1,5 ふたば系ゆっくりいじめ 443 希少種の価値 ふたば系ゆっくりいじめ 398 ゆっくり達を必殺技で葬る物語 ふたば系ゆっくりいじめ 382 穴だらけの計画とその代償 ・他、5点 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 段ボールがゆいいつのきりふだか… -- 2011-03-07 01 42 40 ゆっくり共の愚かさがしっかりと書かれたいい作品ですね! -- 2010-09-01 14 04 33 絶望するゆっくりの心情が、しっかり描写されてて、 とても素晴らしいです。 -- 2010-07-20 17 13 24
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投げた! 6KB 野良ゆ 赤ゆ 子ゆ 現代 虐待人間 全力でゆっくりを投げたいです、どうぞ 『投げた!』 空は快晴。 運動するにはもってこいの空の良い天気である。 休日という事もあり、子供が遊ぶ声や散歩する人達まで見える。 そんなのどかな日に、白熱した試合が行われていた。 「走れぇ!」 「遅いぞ!」 「気合入れろ!」 少々太った体型の中年男性が大汗をかきながら走っている それをベンチに座る、同年代の男達に応援されている。 彼らは一様に同じユニフォームに身を包み、やいのやいのと騒いでいる。 応援している中年男性達の向かい側には、別のユニフォームを着た、これまた中年男性達が騒いでいた。 「万歳してんな!」 「さっさと取って来い!」 二十代等の若い年代の男も混じっているが、中年男性が圧倒的に多いこの場所。 彼らは一様に楽しみ、一様に悔しがる。 彼らがやっているそれは、草野球であった。 一月に一度やれば多いほうこの草野球、当然その理由は、各々の職業の休暇が重なるか否かだ。 練習も一部の熱心な人たちがやっているだけの素人集団である。 ただ彼らは野球を楽しみたいだけなのでそれはそれでいいのかもしれないが。 「おお、前回も引き分け、前々回も引き分け! 今日こそは勝つぞ!」 「「「おおっ!」」」 先の太った中年男性が早々にアウトになり、攻守は替わり、9回目。 彼らで最後の攻めだ。 延長はしない、何故なら彼らの大半の体力は期待してはいけないからだ。 そして様々なことがあり。 2アウト。 2塁に何とか走者が一人出た。 どっちのチームも盛り上がる。 そんな中、あまり盛り上がっていない人がいた。 外野の守備。 「あー、なんでせっかくの休日がこんなことに消費されてるんだろう」 彼はこの草野球の中で数少ない20代の青年だった。 「全く、親父も親父で張り切り過ぎだ、バットなんか振るからぎっくり腰になるんだ」 彼は別にこの草野球には興味はなかった。 彼の親がこの草野球に参加していて、彼の言ったように不慮の事故のせいで代理として参加することになった。 最初は久々の野球もいいかもしれないと思ったが、彼の守備位置は全く球が来ない。 投手の人物が、昔取った杵柄か、恐ろしく強いのだ。 まあ、それにお釣りがくるほど周りの凡ミスは多く、引き分け続きなのだが。 「あー、今日はまりさを弄るつもりだったんだがなぁ」 そして彼の趣味はゆっくり虐待だった。 休日のゆっくり虐待が彼の社会に出てからのストレス発散であった。 一応明日も休みらしく、彼は明日の虐待の為に更なる構想を頭に練る。 そんな時。 「おーい! そっち行ったぞ!」 はっ、と彼の意識が現実に引き戻される。 白球は、彼の頭上を大きく超え、後ろの膝位に草の生えた茂みに入ってしまった。 青年はそれを取るために走りだす。 「ゆゆ~ん、きょうはぽかぽかできもちいいね」 「そうだじぇ、おかあしゃん、とってもゆっくりできるんだじぇ」 そんな中、ゆっくりの一家がその茂みにはいた。 人間にあまり見つからないように、茂みに居る辺り賢い部類なのかもしれない。 その場にいるゆっくりは、成体のゆっくりれいむ。 そして子供であろう、赤ゆっくりから少し成長したいる、子ゆっくりのまりさがいた、成り立てなのかまだ赤ゆ言葉は抜けきっていない。 番は見当たらない、大方餌探しでもしているのだろう。 「きょうもたくさんおひるねさんをして、たくさんおひるねさんをして、ゆっくりおとうさんにおかえりなさいしようね」 「わかったんだじぇ! きょうもゆっくりおとうしゃんをまつんだじぇ!」 子まりさは眉をキリッと上げ、ゆっくりするよ! 息を巻く。 ゆっくり達から見ればとてもゆっくりした親子と思われる程度の風景だろう。 しかし、野良として薄汚れたその様は人間から見たらただの生ごみであった。 そんなゆっくり親子の頭上に放物線を描いた白球が迫る。 「ゆふふ、れいむとまりさのおちぶがぁ!」 ぶちゅ、と潰れる音が鳴る。 発信源は当たり前の様に親れいむである。 白球は親れいむの脳天に直撃した。 油断しきっていた親れいむの口からは餡子が吐きだされた。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛」 しかもどうやら、当たり所が悪かったらしく、ビクビクと痙攣している。 「お、おきゃあしゃぁぁぁぁぁぁぁああ゛あ゛ぁぁぁあん!!」 子まりさは、親れいむが餡子を吐いて数秒経ってようやく現状を理解して騒ぎだした。 騒ぐ子まりさと親れいむから日が遮られる。 「んー、ここら辺に落ちたかな、しかしゆっくりの声が聞こえる潰してえなぁ」 そして、ボールを捜しに来た青年がぬっと現れた。 「に、にんげんしゃんじゃぁぁぁぁぁぁ!!」 いきなり現れた青年に、子まりさは更に驚く。 目から口から砂糖水の涙と涎が、急な出来事の連続でしーしーまで漏らしている。 「ん、ゆっくりじゃねぇか、つぶし…… いや、今はボールだな」 青年はボールを探す。 流石にやる気はないが、代理で来ているのだある程度誠意を見せなけらば失礼と考え後回しにする。 すると、親れいむに突き刺さったボールをようやく見つける。 チラリとホームの方へ顔を向けると、既に3塁を出ている。 「間に合えよ……」 視線をそのまま、青年はボールを掴む。 ニュギュっとした感触と少し濡れた感じに眉をひそめるが、今はそれどころではない。 慣れ親しんだその感覚に疑問に思いながらも。 投球ホームに入る。 青年の今までの野球をしてきた中で最もいい感じである、主に手の中のボールが。 ……今なら間に合う、そんな気がする。 青年は、今までにない急激に上がった調子に驚きつつもボールを投げた。 青年の肩が唸る。 「ぉ゛ぞぉぉお゛お゛ぉぉぉぉぉぉ」 正にレーザービームというべき速さで、ボールは進む。 何か水分の軌跡を残しつつ。 青年もその剛速球に驚きながらも、どうなるかとハラハラした。 もう間に合わないと思われた周りの空気を振り払った。 そして、走者はスライディングをした瞬間、ボールは走者と並び。 走者は地面に体が付き、砂埃が舞い上がる。 パァン! と、恐ろしくいい音が、ミットに収まる。 砂埃でよく見えない、そして徐々に砂埃が収まった。 結果は。 「アウトッ!」 歓声が響く。 残念がる声も聞こえるが、そこに悪い雰囲気は無く、楽しそうな声でもあった。 おおっ、と青年の喜びもつかの間、背後に親れいむの声が聞こえる。 ふと、青年はそちらの方に顔を向けると。 「ゆ゛ゆ゛」 「……」 その親れいむの頭には、餡子に塗れた今投げたはずの白球が沈没していた。 青年の顔が口角がつり上がった笑みの様なそうでないような微妙な状態に固定される。 「やったな! 兄ちゃん!」 と、そこにキャッチャーの人物が現れた。 「え、ええ」 冷や汗をだらだら流しながら答える。 この皆が喜んでいる中を壊したくないのだ。 キャッチャーが青年の背後の親れいむに気付く。 その光景にキャッチャーは笑みを浮かべる。 そして、キャッチャーが手に持っているグローブ開いた。 そこには。 体中から砂糖水の体液を垂れ流し、キャッチされた時の衝撃でだろう目は飛び出し、口から餡子が飛び出している。 すでに事切れた子まりさがいた。 キャッチャーは笑みを浮かべたまま言う。 「勝てば官軍って言葉もあるさ」 「え、そ、そうですね」 「それに、兄ちゃんもこれか?」 そう言って、キャッチャーは親れいむを踏む。 「ゆびぃ!」 スパイクの尖った部分が親れいむの頭を突き刺し、痛みで痙攣していた親れいむは更なる痛みに涙を流す。 「ゆっくりを投げる時ってのは、なんか普通よりいい感じに投げられるよな」 「え、あなたももしかしら……、ですか」 「ああ、確かスポーツドリンクがまだ残ってたな、それかければまだいけるな」 青年は驚きながらも、その言葉にうなづく。 「試合の後の一杯もいいが……」 キャッチャーは更に足に力を込める。 「ゆびびび」 喰い込んだ部分が更に親れいむの体内に喰い込む。 「虐待もいいぞ」 「……ですね」 青年はそれに笑いながら答えられた。 以前書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 964 サンプル ふたば系ゆっくりいじめ 978 暗く湿った穴の中 ふたば系ゆっくりいじめ 1186 すろーりぃな計画 四作目です。 なんか、ゆっくりを投げたいなと思い、書いてみました。 前回は我ながら意味不明な物を作ったなぁと思い、とりあえず単純に死になせてみたり。 では、最後まで読んでいただけたら幸いです。 挿絵 by車田あき トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る キャッチャーミットで爆散させたとき、スッキリできるほどいい音出そうだな~w -- 2018-01-02 14 43 37 逆境ナインの漢球かいwwww -- 2014-08-02 12 00 23 まあいいじゃないか。俺も好きだよ車田さんの絵。 -- 2011-01-13 01 12 49 ゆっくりを書くぶんには車田あきさんの絵は適してると思う。 …だけど慣れない人間を書いた結果がこれだよ! -- 2011-01-13 00 19 11 車田さんの絵はゆっくりの心情をとても良く描いている人だと思うんだがなぁ・・・私は好きです。 -- 2010-10-02 13 56 27 きもい。おもに絵がきもい。 -- 2010-10-02 00 10 31 鬼意山はゆ虐をするとき潜在能力が発揮されるのだな。効果モンスターみたいだ。 -- 2010-08-09 10 42 02 車田あきはもちっと人に見せられる絵を描けるようになってからモノあげてほしい。 -- 2010-06-21 04 22 36
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ゆっくりは生首饅頭の夢を見るか? 5KB パロディ 悲劇 飼いゆ 創作亜種 独自設定 きっとカオス寄りなんだと思います ・18回目 ・変な普通のまりさです。 ・ゆめにっきのパロディ的な何かです。 ・ダークメルヘンさのかけらもないです。難しい・・・。 ・ゆめにっきというフリーゲームを知ってる方にすら伝わりにくい気がします。 ・虐待も愛でもHENTAIもないです。 ・ぬえかかりか迷いますけど、俺はせっかくだからこのかりを選ぶぜ! ・タイトルの元ネタみたいなのじゃありません。 ・ていうかSSじゃない。 ・ヨロシクオネガイシマス まりさは、夢を見ていた。 繰り返し繰り返し良い夢を見ていた。 まりさにとっては広大なお部屋。 そこには、大好きなお姉さんと自分が居て、二人で笑いながらゆっくりしている。 ただゆっくりしているだけの夢。 ずっとゆっくり出来てまりさは幸せで。 繰り返し繰り返し良い夢を見ていた。 「ゆ・・・」 まりさがいつも通り何も変わらない夢から覚めた。 おさげで目をこすってから辺りを見回すと、いつも通りの光景が広がっている。 真紫の広い床の上で、刃が落ちては上り落ちては上るギロチンが稼動している。いつも通りの光景。 「またここからだね・・・」 まりさは異常な光景をいたって平静に眺めてから、跳ねて移動し始める。 行っても行っても、ループしているかのように何もない。 だが、たまに休憩を挟みながら、まりさは黙々と跳ねる。 しばらくすると、人影が近づいてくるのが見えた。 まりさはそれを見て笑顔になりかけるが、これもいつも通りだと悟り、すぐ笑みが消える。 「ゆっくりしていってね」 おざなりな挨拶をするが、人影が返事してくれないことはわかっている。 まるで鳥のような顔をした人間とすれ違うように、まりさは跳ね続けた。 やがて、ポツンとタンスが置いてあるのが見える。 「ゆっくりとうちゃーく」 まりさはしばらく一息ついた後、帽子の中から黒い卵を取り出して口に含んだ。 どこからともなく鳴り響く電子音と共に、まりさは光に包まれる。 数秒の淡い光が光って消えた後には、まりさは手足のついた魔女の姿になっていた。 まりさにとって理想の姿。 それは、もはやいつも通りの光景だったのでまりさは気にも留めない。 「ゆっくりたんすさんをあけるよ」 宣言通り、まりさは手を使ってゆっくりとタンスを開ける。 まりさは、いつも通り意識が遠のくのを感じた。 まりさが目覚めたのは、これまた奇妙な部屋だった。 壁にはコンセントプラグのようなキャラクターがいくつも描かれており、床と天井は透明な板で出来ていて時たま赤い数字が描かれている。 辺りを見回すと、無造作ながらに整列している無数のベッドや一列に規則正しく先程のタンスが複数置かれている。 良く見ると遠くに先程の鳥人間と違う格好の鳥人間がうろついているが、まりさは時間の無駄だとばかりに無視して、壁伝いに歩き始める。 コンセントプラグの壁に沿ってしばらく歩くと、ネオンのように光る扉があった。 まりさは躊躇なくその扉を開けて入る。 扉の中へ入ると、扉はひとりでに閉じた。 ネオンの扉の先にあったのは、扉をくぐる前の部屋と同じような内装で、前と違うのはその室内の大きさだった。 無駄に広いその空間を、まりさは迷うことなく一点へ向かって歩く。 着いたのは、赤い球体がはめ込まれた扉。 その扉を開けて、まりさは暗い部屋の中に出た。 その部屋には壁と天井がなく、十三枚の扉だけがぽつんと存在しており、床を良く見れば幾何学模様が描かれている。 もはや、慣れてしまったまりさには、何の感慨もなく。 隣の木の扉の前に行く。 「・・・」 何故か、緊張したような真面目な表情になりノブを持つ手が震えている。 数十秒そうしていたが、意を決して扉を開けた。 いつも通りのお部屋の中。 目の前に立っているのは、お姉さん。 いつも眠たそうな糸目。 さらさらでまりさのおさげとお揃いの三つ編み。 かわいいお飾りがついた洋服。 全部が全部大好きなお姉さんだった。 「おねえさん!!!」 まりさは抱きしめてもらおうと身体をお姉さんに向かって突き動かす。 「ゆっくりしていッ・・・!?」 だけれど。 いつも通り、抱きしめてもらえなくて。 いつも通り、自分のおなかに違和感を感じる。 冷たい何かが刺さっているような。 熱い何かが吹き出てくるような。 「おねぇ・・・さん・・・」 それでも、抱きしめてもらおうとまりさは手を伸ばす。 その手は徐々に淡い光になって消えていく。 消えたころには、手足なんて存在しないいつも通りのゆっくりに戻っていた。 一つ違うのは、自分のおなかに穴が出来ていて餡子が出ていたこと。 「おねえざんおねッえじゃんおねえざんっおにぇえじゃんおねえざんおねえじゃんおね・・・えざんおにぇえ・・・じゃんおねえざん!?」 痛みと不気味さと寂しさを涙目になってこらえながら、薄れゆく意識でお姉さんを呼ぶ。 お姉さんは、苦しむまりさのことが見えていないのか、眠たそうな糸目一つ動かない。 「も・・・っと・・・ゆっく・・・したかっ」 最後に見たのは、お姉さんの醜く歪んだ唇だった。 まりさは夢を見ていた。 繰り返し繰り返し悪い夢を見ていた。 まりさにとっては広大なお部屋。 そこには、大好きなお姉さんが居ない。一人ではゆっくりできない。 ただゆっくりできない夢。 ずっとゆっくり出来なくてまりさは不幸せで。 繰り返し繰り返し悪い夢を見ていた。 「ゆ・・・」 まりさがいつも通り何も変わらない夢から覚めた。 おさげで目をこすってから辺りを見回すと、いつも通りの光景が広がっている。 真紫の広い床の上で、刃が落ちては上り落ちては上るギロチンが稼動している。いつも通りの光景。 「またここからだね・・・」 良い夢は二度も続かない。悪い夢は二度と終わらない。 アトガキ マフラー子可愛いよッッ可愛いよおかわいいいよォマフラー子ォォアアァァア アァッ!! 大丈夫です。テンプレです。マフラー子が好きです。ヤマメと肩を並べてます。 ということで書いてみました。ゆっくりでゆめにっき。 ・・・全然出来てないっていう。 主人公は窓付きって女の子なんですけど、彼女がゆっくりについて意識あったらこうなるのかなぁ・・・とか思ったり。 実際にアイテムというかエフェクトで★なまくび★ってのがあります。 生首の象徴なんでしたっけ。鳥人間が虐めっ子で、窓付きがギロチンチョンパだから虐めの見せしめ的な意味合い? まさに動く生首ゆっくりに対して、自己嫌悪でおなじみ★ほうちょう★でプスリッ。でもゆっくりだから以下、無限ループ。みたいな自己解釈をした結果がこのSS。 脳内でやれと自分でも思いました。反省はしていますん。 ゆっくり並みに想像力掻き立てられるんで一度プレイをオススメします。ゆめ2っきもあるよ! まりさはいわずもがな★まじょ★です。 ご読了ありがとうございました。 やまめあき(仮) 【妄想で書いたもの】 かり ・ふたば系ゆっくりいじめ 963 ト● ・ふたば系ゆっくりいじめ 990 くちばしにチェリー ・ふたば系ゆっくりいじめ 1000 デスクトップガジェット ・ふたば系ゆっくりいじめ 1018 ゆっくりつくーる ・ふたば系ゆっくりいじめ 1054 夢想天生 ・ふたば系ゆっくりいじめ 1064 スペクタクルスパイダーウーマン ・ふたば系ゆっくりいじめ 1091 つるべおとし ・ふたば系ゆっくりいじめ 1118 ゆっくりのおもちゃ ・ふたば系ゆっくりいじめ 1123 いまじん ・ふたば系ゆっくりいじめ 1142 スポイラー ・ふたば系ゆっくりいじめ 1163 ラブドール ・ふたば系ゆっくりいじめ 1172 益虫? 害虫? ・ふたば系ゆっくりいじめ 1189 スィークリング ・ふたば系ゆっくりいじめ 1214 てゐ! ・ふたば系ゆっくりいじめ 1227 ゆっくりは生首饅頭の夢を見るか? どろわ ・つんつんつんつくつんつくつんつん ぬえ ・山女って可愛いよね ・女はつらいよ トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る は△△の夢を見るか?ってタイトル多いけど、元ネタ知ってて使ってるひとって少ないよな -- 2013-10-29 19 08 53 近未来、多くの動物が死に絶えた世界に住む人々は 次第に高額で取引される原種ゆっくりを飼うのが憧れとなっていた・・・ -- 2012-10-04 00 49 28 キョアーオ、モノ子かわいいよモノ子 -- 2010-09-23 15 11 48 フィリップ・K・ディックってわかる? -- 2010-08-02 22 36 33
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「ふたば系ゆっくりいじめ 558 中枢餡/コメントログ」 飼い主としては、 宗教的にいえば、同じ魂が継続してるから同一人物です。 社会的にいえば、精神障害を発症して人格が変質しても同一人物として扱います。 って感じの認識なんじゃないか。 -- 2010-07-18 02 19 34 飼いゆっくりになった時点で人の物だから処分でいいと思うんだけどね -- 2010-07-27 14 26 05 愛着が有るから体だけでも同じのを、じゃないかな… 今度はげすにならないと良いねぇ。 -- 2010-10-16 19 43 27 処分して買い換えないのは結局のところ、「ゆっくりに優しい自分」ってのを守りたいだけだろう。 -- 2011-01-14 12 10 47 つうかこの商売食っていけないだろw -- 2011-02-09 19 03 30 ↓いや、希少種の初期化は需要あると思うし高めの金額だから副業としてはかなりのもんだろ -- 2012-03-16 00 12 18 おじさん、いい人だな 臭いものに蓋をする今の風潮はいかんよ・・・ -- 2012-10-03 05 59 17 「ゆっくりが可哀想」「騒音が酷い」「衛生面が悪い」「頭のおかしい犯罪者」 とかなんとか言って、愛護団体に妨害されないことを祈ってます。 私は、依頼を受けて不良品を修理する、この男性の味方です! -- 2018-01-11 14 47 06 ゆっくりって中枢餡傷つけたら死ぬかと思ってた。こんな療法あるんだね -- 2018-09-01 09 47 09